輸血歴のない小児ALLに認められた抗K1抗体
Kell式血液型の抗K1抗体はごくまれに自然抗体として見い出され, その発生には細菌などの感染症が関与していると考えられている. 輸血歴および妊娠歴がなく, 自然発生と思われる抗K1抗体は, 検索し得た限りでは11例報告されているが, 長期に観察した報告は少ない1)~10). これらの報告では, 抗体のクラスは1例以外IgMと推定されているが, IgAクラスの抗K1抗体の報告があり9)11), これら10例の抗体が多量体IgAである可能性は否定できない. 我々は, 輸血歴のない急性リンパ性白血病(ALL)の小児に抗K1抗体を認め, 抗ヒト免疫グロブリン抗体を結合させたポリアクリルアミド粒子(イ...
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Veröffentlicht in: | 日本輸血学会雑誌 1992/12/25, Vol.38(6), pp.712-715 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | Kell式血液型の抗K1抗体はごくまれに自然抗体として見い出され, その発生には細菌などの感染症が関与していると考えられている. 輸血歴および妊娠歴がなく, 自然発生と思われる抗K1抗体は, 検索し得た限りでは11例報告されているが, 長期に観察した報告は少ない1)~10). これらの報告では, 抗体のクラスは1例以外IgMと推定されているが, IgAクラスの抗K1抗体の報告があり9)11), これら10例の抗体が多量体IgAである可能性は否定できない. 我々は, 輸血歴のない急性リンパ性白血病(ALL)の小児に抗K1抗体を認め, 抗ヒト免疫グロブリン抗体を結合させたポリアクリルアミド粒子(イムノビーズ(R))を用いて抗体のクラスを確認し, 抗体価の推移を1年8ヵ月間観察したので報告する. 症例 4歳, 女児. 1990年6月中旬頃, 39℃の発熱と咳のため近医受診, 急性気管支炎および汎血球減少が認められ, 6月26日当院に転院し, 骨髄穿刺所見よりALL(FAB分類, L1)と診断された(図1). 入院時, 咽頭粘液からHaemophilus influenzaeが検出された. ロキタマイシンを5日間服用し, 症状は消失した. |
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ISSN: | 0546-1448 1883-8383 |
DOI: | 10.3925/jjtc1958.38.712 |