遺伝子組換えヒトエリスロポエチンKRN5702週1回皮下投与を併用する貯血式自己血輸血法: 多施設共同初期第II相試験
自己血輸血法は, 輸血感染症の伝播1)や移植片対宿主病(GVHD)2)などの同種血輸血に伴う輸血副作用を防止する方法として極めて有用である. 術前に貧血例が少ない整形外科予定手術は, 特に適応が大きい. ところが現在一般に行われている術前貯血法(液状保存法)は, 1週に1回だけ, しかも血中ヘモグロビン(以下Hb)値が11g/dl以上ある場合にのみ採血できる3)という制約があるために, 術前の限られた期間内に必要量を貯血できない場合もある. 必要量を貯血できない場合には手術が延期されることもあり, 患者の負担は大きくなる. 近年開発された遺伝子組換えヒトエリスロポエチン4)(Recombina...
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Veröffentlicht in: | 日本輸血学会雑誌 1992/12/25, Vol.38(6), pp.699-711 |
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Hauptverfasser: | , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 自己血輸血法は, 輸血感染症の伝播1)や移植片対宿主病(GVHD)2)などの同種血輸血に伴う輸血副作用を防止する方法として極めて有用である. 術前に貧血例が少ない整形外科予定手術は, 特に適応が大きい. ところが現在一般に行われている術前貯血法(液状保存法)は, 1週に1回だけ, しかも血中ヘモグロビン(以下Hb)値が11g/dl以上ある場合にのみ採血できる3)という制約があるために, 術前の限られた期間内に必要量を貯血できない場合もある. 必要量を貯血できない場合には手術が延期されることもあり, 患者の負担は大きくなる. 近年開発された遺伝子組換えヒトエリスロポエチン4)(Recombinant human erythropoietin, 以下rHuEPO)は, 内因性エリスロポエチン欠乏が原因である腎性貧血を改善することが確認され5)~7), 透析患者の腎性貧血の治療薬として現在広く使用されている. このrHuEPOを静脈内投与することにより自己血採血後の貧血も改善されることが明らかになった8)~10). しかし, rHuEPO週1回静脈内投与ではHb値の回復が不十分なため週2~3回の投与を必要とし, 自己血貯血のために週1回来院する患者にさらに負担を強いることになる11). |
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ISSN: | 0546-1448 1883-8383 |
DOI: | 10.3925/jjtc1958.38.699 |