抗血小板抗体スクリーニングの有用性

抗血小板抗体は, 新生児血小板減少性紫斑病, 輸血後紫斑病, 悪寒・発熱・戦りつ等の輸血副作用, 血小板輸血不応答等の原因として知られている. しかし, 抗赤血球抗体と異なり, そのスクリーニング検査が現在なお一般化されていないのが現状である. そこで, 当院における輸血歴・妊娠歴のある患者を対象に, オリンパス社の抗血小板抗体スクリーニングキット「オリビオMPHA」を用いて, 試験的に抗血小板抗体スクリーニングを実施し, 抗血小板抗体の陽性率を算出した. さらに, その成績と従来の依頼検査の成績等を比較し, スクリーニングの有用性を検討した. 陽性率は外科系患者105名中18名17.1%,...

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Hauptverfasser: 岩谷ユリ子, 近藤征文, 長谷川千代子, 内野純一
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:抗血小板抗体は, 新生児血小板減少性紫斑病, 輸血後紫斑病, 悪寒・発熱・戦りつ等の輸血副作用, 血小板輸血不応答等の原因として知られている. しかし, 抗赤血球抗体と異なり, そのスクリーニング検査が現在なお一般化されていないのが現状である. そこで, 当院における輸血歴・妊娠歴のある患者を対象に, オリンパス社の抗血小板抗体スクリーニングキット「オリビオMPHA」を用いて, 試験的に抗血小板抗体スクリーニングを実施し, 抗血小板抗体の陽性率を算出した. さらに, その成績と従来の依頼検査の成績等を比較し, スクリーニングの有用性を検討した. 陽性率は外科系患者105名中18名17.1%, 内科系患者56名中6名10.7%, 産婦人科外来患者29名中2名6.9%で, 全体では13.7%であった. これらのうち輸血歴のある男性患者では62名中8名12.7%, 輸血歴・妊娠歴共にある女性患者では34名中8名23.5%, 輸血歴のみの女性患者では12名中2名16.7%, 妊娠歴のみのものでは82名中8名9.8%が陽性であった. スクリーリング陽性26例中12例が従来の依頼検査を受けた. その結果はPSIFTのみ陽性が5例, LCTのみ陽性が3例で, 4例はPSIFT・LCT共に陰性であった. 血小板は抗原のチェック・統一がまだ難しく, 検査法によって検出感度・特異性が異なることから, 検査法の選択・結果の解釈には慎重な対応が必要である.
ISSN:0546-1448