赤血球製剤に対するX線照射の効果

輸血後GVHD対策として, 臨床的にX線照射が試みられているが, 赤血球製剤に対するX線照射の影響を検討することは, 今後の血液事業の対応の一環として重要と考える. 対象製剤は保存血液と濃厚赤血球であり, X線照射は専用装置・日立MBR-1520Rにより, 至適照射線量1,500radにて行った. これら製剤は, ATP, 2,3-DPG, 血奨グルコース及び血奨Hbの生化学的検討, いずれにおいてもX線照射群と非照射群が, ほぼ類似の経時的推移を示した. また, 血球成分及びリンパ球生存率ともに, 両群間に有意な差を認めなかった. しかし, 血漿電解質に関し, X線照射群で, Naは保存血液...

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Hauptverfasser: 則竹保治, 紺野恭宏, 五十嵐満, 宍戸一広, 渡辺岩雄, 松井通彦, 清水宏
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:輸血後GVHD対策として, 臨床的にX線照射が試みられているが, 赤血球製剤に対するX線照射の影響を検討することは, 今後の血液事業の対応の一環として重要と考える. 対象製剤は保存血液と濃厚赤血球であり, X線照射は専用装置・日立MBR-1520Rにより, 至適照射線量1,500radにて行った. これら製剤は, ATP, 2,3-DPG, 血奨グルコース及び血奨Hbの生化学的検討, いずれにおいてもX線照射群と非照射群が, ほぼ類似の経時的推移を示した. また, 血球成分及びリンパ球生存率ともに, 両群間に有意な差を認めなかった. しかし, 血漿電解質に関し, X線照射群で, Naは保存血液・濃厚赤血球ともに, 照射一日後より減少し, これに対しKは, 両製剤において対照的に増加を認めた. 今後さらに, リンパ球自体の動態に関する検討が必要と考える.
ISSN:0546-1448