安全な血液を供給するための血液センターの取り組み
目的:より安全な血液を供給するための当センターの取り組みについて報告する. 経過:当センターでは輸血による感作, 感染を少なくするために, 400mlおよび成分献血由来の製剤を供給するよう努力してきた. 濃厚赤血球の総供給単位数(200ml換算)は1986年度は126,937で, 400mlの占める割合は11.7%であったが, 89年度は118,150中53.0%, 90年度は11月までで85,322中59.2%と上昇した. 濃厚血小板の供給については, 400ml及び成分由来の占める割合が, 1986年度の109,310単位中17.4%と32.4%から, 1989年度の161,068中30....
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Zusammenfassung: | 目的:より安全な血液を供給するための当センターの取り組みについて報告する. 経過:当センターでは輸血による感作, 感染を少なくするために, 400mlおよび成分献血由来の製剤を供給するよう努力してきた. 濃厚赤血球の総供給単位数(200ml換算)は1986年度は126,937で, 400mlの占める割合は11.7%であったが, 89年度は118,150中53.0%, 90年度は11月までで85,322中59.2%と上昇した. 濃厚血小板の供給については, 400ml及び成分由来の占める割合が, 1986年度の109,310単位中17.4%と32.4%から, 1989年度の161,068中30.8%と64.3%に, 更に1990年度11月まででは110,711中9.8%と88.9%と上昇した. 当センターでは血小板製剤は100%成分由来で供給する計画で, 既に200ml由来の血小板は製造していない. HLA適合血小板(HLA-PC)の供給単位数は1986年の3,570単位から, 87年度4,180, 88年度9,380と血小板供給単位数が増加するとともに上昇していたが, 89年度は8,810, 90年度は11月までで3,015と減少している. また, HLA-PCが適応となった患者の数も86年度は27人, 87年度は25人, 88年度は33人と増加したが, 89年度は27人, 90年度11月までで21人と増加していない. これは成分由来血小板が増加したのが一因と思われる. 当センターでは, 輸血副作用の実情について把握するために, 1987年7月に輪血副作用のプロジェクトチームを結成した. 1990年10月までに140件の精査依頼を受けた. その約半数の71例に副作用の原因と思われる抗体を検出できたが, そのうち57件(80.3%)はHLA抗体であった. このことより輸血副作用防止には乏白血球血液製剤の供給が重要と考え, リンパ球が90%除去できるBuffy coat除去濃厚赤血球(400ml)の製造を機器やバックの条件が整い次第開始する予定であり, MAP等の長期保存液が承認されれば, 乏血漿Buffy coat除去濃厚赤血球の製造と自己血の液状保存にも積極的に取り組んでいく予定である. |
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ISSN: | 0546-1448 |