Solvent/detergent処理した高度精製第VIII因子製剤の製法検討

〔目的〕第VIII因子の収量向上と品質改善を目的として, New York Blood Centerが開発したウイルス不活化法であるsolvent/detergent(TNBP/Polysorbate 80)処理と, 精製方法として, ゲル濾過法について検討した. 〔方法〕クリオペーストを原料として分画・精製を行い, solvent/detergent処理による第VIII因子活性への影響とウイルス不活化効果を現行の液状加熱製剤と比較検討した. また, 第VIII因子の高度精製のためのゲル濾過担体の選択と, vWF活性と高分子マルチマー構造の保持を重点に検討した. 〔結果〕第VIII因子のsol...

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Veröffentlicht in:日本輸血学会雑誌 1991, Vol.37 (2), p.323-323
Hauptverfasser: 橋本元範, 武智和男, 伊賀善郎, 横山和正, 西田正行
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:〔目的〕第VIII因子の収量向上と品質改善を目的として, New York Blood Centerが開発したウイルス不活化法であるsolvent/detergent(TNBP/Polysorbate 80)処理と, 精製方法として, ゲル濾過法について検討した. 〔方法〕クリオペーストを原料として分画・精製を行い, solvent/detergent処理による第VIII因子活性への影響とウイルス不活化効果を現行の液状加熱製剤と比較検討した. また, 第VIII因子の高度精製のためのゲル濾過担体の選択と, vWF活性と高分子マルチマー構造の保持を重点に検討した. 〔結果〕第VIII因子のsolvent/detergentr処理は, エンベロープを持ったウイルスを速やかに不活化し, エンベロープを持たないウイルスには無効であった. しかし, 乾燥加熱処理との組み合わせをすることにより, ウイルス不活化効果と収量の点で, 現行の液状加熱製剤より良い成績を得た. 第VIII因子のゲル濾過による精製は, Sephacryl S-400 HRが夾雑タンパク質との分離に適しており, 精製された第VIII因子は, 高分子マルチマー構造を良く保持していた. また比活性は, 50U/mg蛋白で, フィブリノゲン, ファイブロネクチンの混入量も極めて少なく, 製剤の溶解性も向上した.
ISSN:0546-1448