Rho(D)陽性患者に認められた抗D抗体の一例
〔目的〕Rho(D)陽性者の産生する抗D抗体は, D抗原部分欠損等の原因が考えられるが, 今回我々はRho(D)陽性. 患者血清中に, 抗D抗体の存在を認めたので報告する. 〔症例と方法〕, 患者は両鼠径ヘルニアのため来院した80歳の男性で輸血歴, 既往歴はなく, 血液型はA型, CCDee型であった. 患者の抗体特異性の検索は, 市販パネル赤血球及び献血者血液を使用した. 患者抗体のサブクラスの検索は, オランダ赤十字血液センター製を使用した. 抗体解離法は, クロロキン2リン酸塩溶液及びDT解離液を使用した. パネル赤血球のDTT処理は, シグマ社製DTTを使用した. 〔成績〕患者血清中の...
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Zusammenfassung: | 〔目的〕Rho(D)陽性者の産生する抗D抗体は, D抗原部分欠損等の原因が考えられるが, 今回我々はRho(D)陽性. 患者血清中に, 抗D抗体の存在を認めたので報告する. 〔症例と方法〕, 患者は両鼠径ヘルニアのため来院した80歳の男性で輸血歴, 既往歴はなく, 血液型はA型, CCDee型であった. 患者の抗体特異性の検索は, 市販パネル赤血球及び献血者血液を使用した. 患者抗体のサブクラスの検索は, オランダ赤十字血液センター製を使用した. 抗体解離法は, クロロキン2リン酸塩溶液及びDT解離液を使用した. パネル赤血球のDTT処理は, シグマ社製DTTを使用した. 〔成績〕患者血清中の抗体は, 6例のRho(D)陽性赤血球とブロメリン法, 間接抗グロブリン法で4倍の反応を示し, 7例のRho(D)陰性赤血球と反応を示さなかった. また自己対照もRho(D)陽性赤血球と同様に反応を認めた. Rho(D)陽性赤血球の0.1M DTT処理後の反応は未処理赤血球と同様の反応を示し, 抗Lw抗体は否定された. DT解離法で得られた解離液の反応は, 抗D抗体の特異性を示した. 患者血清, 血球解離液の反応はRho(D)陽性赤血球吸収後消失したが, Rho(D)陰性赤血球吸収後は消失しなかった. 患者赤血球は, 6例のヒト由来抗D血清, 2例のモノクローナル抗D血清に対照CCDee型赤血球と同様の陽性反応を示した. 直接抗グロブリン試験は, 広範囲抗グロブリン血清, 抗IgG血清に1+の反応を示し, 抗C3b血清, 抗C3d血清と反応しなかった. このことより, 自己抗体はIgG 1抗体であると考えられた. 〔結語〕今回, 血液製剤未投与のRho(D)陽性患者血清中に自己抗体と考えられる抗D抗体の1例を経験した. |
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ISSN: | 0546-1448 |