プロテアーゼ処理後もモノクロナール抗Mと反応した献血者血球
(目的)MN式血液型のM抗原はグリコフォリンA(GP-A)上のN末端領域に存在し, プロテアーゼ処理によりM抗原は失活することが知られている. 我々はトリプシンやフィシンに抵抗性を示すM型赤血球を検出した. これらについて主に免疫化学的な検討を加えた. (方法)赤血球凝集反応は標準的な方法に従い, マウスモノクロナール抗体との反応は一定時間静置後, 遠心操作なしで判定した. イムノブロッティング法:SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(10%分離ゲル, 3%濃縮ゲル)を用い, Laemmliの方法にて分離した. 分離後二トロセルロース膜に転写し, 一次抗体としてマウスモノクロナール抗体, あ...
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Zusammenfassung: | (目的)MN式血液型のM抗原はグリコフォリンA(GP-A)上のN末端領域に存在し, プロテアーゼ処理によりM抗原は失活することが知られている. 我々はトリプシンやフィシンに抵抗性を示すM型赤血球を検出した. これらについて主に免疫化学的な検討を加えた. (方法)赤血球凝集反応は標準的な方法に従い, マウスモノクロナール抗体との反応は一定時間静置後, 遠心操作なしで判定した. イムノブロッティング法:SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(10%分離ゲル, 3%濃縮ゲル)を用い, Laemmliの方法にて分離した. 分離後二トロセルロース膜に転写し, 一次抗体としてマウスモノクロナール抗体, あるいは精製ヒトポリクロナール抗体を用いた. 二次抗体はパーオキシダーゼ標識坑イムノグロブリン抗体を使用し, 3, 3´-ジアミノベンチジンで発色させた. (結果)トリプシン処理後, マウスモノクロナール坑Mのうち坑-M_ser とは反応したが, 坑-M_gly とは反応しなかった. トリプシン処理前後で, 坑-Mに対する被凝集性に変化は認められず, 坑-´N´, -s, -U, vicia gramineaとの反応性は, 対照に比較して低下していた. モノクロナール坑-Mを用いたイムノブロッティング法では, 分子量約20,000の強い異常バンドが検出された. このバンドは, GP-AあるいはGP-B分子上の異なった領域を認識する抗体とはいずれも反応しなかった. (結論)プロテアーゼ抵抗性のM抗原としては, M^r M^z 型(いずれもSt(a+)), Mur+, Hil-, Anek-, 表現型(miltenberger抗原群), GP-A-GP-Bハイブリッド型(En(UK), MiV)などが知られている. 我々が検出した赤血球は, St(a-), Miltenberger抗原群に対する抗体とはいずれも陰性, 異常バンドの分子量がEn(UK)型とは異なる, などからまったく新しいタイプと思われる. |
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ISSN: | 0546-1448 |