COBE Spectraを用いた末梢血幹細胞採取
I. 目的:自己末梢血幹細胞移植術は, 同種骨髄移植術を受けることの出来ない難治性癌疾患に対する, 有効な治療法として注目されている. 現在末梢血幹細胞採取を実施している医療機関は, 採取・保存・移植まで全てを同一医療機関内で行っている. しかし機器等の設備や人的体制が整わず, 採取出来ない施設が多い. 当センターは成分採血に習熟したナースと多くの成分採血装置を保有し, 骨髄細胞を凍結保存する設備も整っている. 今回医療機関の要請に応じて, 出張採血による末梢血幹細胞採取を行う機会を得たので, その結果を報告する. II. 対象と方法:1989年4月から1990年12月までの間に4医療機関の血...
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Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | I. 目的:自己末梢血幹細胞移植術は, 同種骨髄移植術を受けることの出来ない難治性癌疾患に対する, 有効な治療法として注目されている. 現在末梢血幹細胞採取を実施している医療機関は, 採取・保存・移植まで全てを同一医療機関内で行っている. しかし機器等の設備や人的体制が整わず, 採取出来ない施設が多い. 当センターは成分採血に習熟したナースと多くの成分採血装置を保有し, 骨髄細胞を凍結保存する設備も整っている. 今回医療機関の要請に応じて, 出張採血による末梢血幹細胞採取を行う機会を得たので, その結果を報告する. II. 対象と方法:1989年4月から1990年12月までの間に4医療機関の血液疾患, 固形癌の患者9症例を対象にCOBE Spectraを用いて末梢血幹細胞採取を計28回行った. III. 成績:処理血液量は, 約5200~9950ml(90~150ml/kg・体重)であったが, 処理血液量と採取成分の細胞数は相関せず, 採取前白血球数と採取細胞数とも相関関係を認めていない. 採取成分中の単核球は60~80%, 回収率では, 白血球の平均は23.4%, 単核球の平均は46.2%で比較的安定していた. IV. 結論:1)効率的な末梢血幹細胞採取を行うには, 化学療法後の採取タイミングが細胞数に影響を与える為採取時期決定に至るまで綿密な情報交換が必要になる. 2)採取時の患者のケアーについて病棟ナースとオペレータ・ナースとの役割分担が今後の課題である. 3)末梢血幹細胞採取で得られた知識・技術は, 献血者からの成分採取技術の向上や救急処置の対応にも反映できる. |
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ISSN: | 0546-1448 |