卓上型生化学検査システム・レフロトロンによる成分献血のS-GPT事前検査

目的:我々は, 献血現場で比重測定と同時にS-GPTの測定を行い, S-GPT高値者からの献血を中止して, 効率の良い成分献血を行うために, 卓上型生化学検査システム・レフロトロン(ベーリンガー・マンハイム社)についてその有用性を検討したので報告する. 方法:本装置は反射光測定装置レフロトロンとドライケミストリーを応用した試験紙より構成される. 今回, 検体である全血の滴下にピペットの代わりに, 比重針を応用できるか否かを検討した. 結果:比重針(21G)3滴での同時再現性はCV2.97～4.38%と良好であった. ヘマトクリット値55%以下のものには, 測定値への影響は見られなかった. 血液センターで使用している, 生化学自動分析装置オリンパスACA8000との相関は, フィールドテストでr=0.977と良好であった. まとめ:上記の成績より, 本装置は, 成分献血の事前検査として比重針の応用が可能であり, S-GPT不合格者の60～70%の採血を事前に中止でき, アフェレーシスキット等の節約と, 効率の良い採血が可能となる. 本装置の導入は, 極めて有用であると考えられる.