パルボウイルスB19感染によるaplastic crisisを起こした先天性球状赤血球症の1例
症例は5歳女児. 球状赤血球症による貧血に対し輸血を繰り返しながら当科外来にて経過観察中, 発熱, 発疹出現し, 急激に汎血球減少となった. 網状赤血球減少, 骨髄は低形成で特に赤芽球系が減少していた. 血清ビリルビンは減少し, 黄疸は軽減した. 病初期血清中にヒトパルボウイルスB19(HPVB-19)抗原, ウイルスDNAが検出され, その後抗HPVB-19抗体IgM, IgGの上昇が認められ, HPV-B19感染が証明された. 伝染性紅斑の流行があり, 輸血との因果関係は不明. 経過は一過性で, 約2週間で回復した. HPV-B19は伝染性紅斑の病原ウイルスとして知られているが, 先天性溶...
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Format: | Tagungsbericht |
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Zusammenfassung: | 症例は5歳女児. 球状赤血球症による貧血に対し輸血を繰り返しながら当科外来にて経過観察中, 発熱, 発疹出現し, 急激に汎血球減少となった. 網状赤血球減少, 骨髄は低形成で特に赤芽球系が減少していた. 血清ビリルビンは減少し, 黄疸は軽減した. 病初期血清中にヒトパルボウイルスB19(HPVB-19)抗原, ウイルスDNAが検出され, その後抗HPVB-19抗体IgM, IgGの上昇が認められ, HPV-B19感染が証明された. 伝染性紅斑の流行があり, 輸血との因果関係は不明. 経過は一過性で, 約2週間で回復した. HPV-B19は伝染性紅斑の病原ウイルスとして知られているが, 先天性溶血性貧血患者のaplastic crisisの原因でもあることが最近明らかにされている. 供血者血液にHPV-B19が混入する可能性は十分にあると思われ, 頻回に輸血を受けている慢性溶血性貧血患者においてはHPV-B19感染によるaplastic crisisを輸血の合併症の一つとして念頭に置くべきと考えられる. |
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ISSN: | 0546-1448 |