DNA cell cycleと表面マーカーのTwo Color解析

【目的】フローサイトメトリー(FCM)で, 分裂増殖状態にある腫瘍細胞のDM量と各細胞周期における表面マーカーの同時測定のための基礎的検討を行った. 【方法】1. 冷70%エタノール(ET)固定の反応への影響:ヒト末梢単核球(MNC)を比重遠心法で分離し各種FITC標識抗体を未固定で染色したもの, 染色後ETで4℃, 2時間と24時間固定したもの, またはETで固定後染色したものについてFACScanで測定した. 今回用いたFITC標識抗体はLeu-1, Leu-2a, Leu-3a, Leu-4, Leu-5b, Leu-9, Leu-12, Leu-16, HLA-DR, CALLA, M...

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Hauptverfasser: 小林信昌, 武井美恵子, 中村嘉彦, 城所正子, 塚原奈緒美, 高橋ひとみ, 和泉貞子, 若松智美, 荒平ゆかり, 野間慎尋, 富田純子, 渡辺克仁
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:【目的】フローサイトメトリー(FCM)で, 分裂増殖状態にある腫瘍細胞のDM量と各細胞周期における表面マーカーの同時測定のための基礎的検討を行った. 【方法】1. 冷70%エタノール(ET)固定の反応への影響:ヒト末梢単核球(MNC)を比重遠心法で分離し各種FITC標識抗体を未固定で染色したもの, 染色後ETで4℃, 2時間と24時間固定したもの, またはETで固定後染色したものについてFACScanで測定した. 今回用いたFITC標識抗体はLeu-1, Leu-2a, Leu-3a, Leu-4, Leu-5b, Leu-9, Leu-12, Leu-16, HLA-DR, CALLA, My4, My9, OKM5, IL-2Rである. 2. DNA量の測定におけるETとパラホルムアルデヒド溶液(PFA)の比較:骨髄およびMNCを4℃で24時間固定後propidium iodide(PI)を最終濃度が50μg/mlとなるように測定直前に添加した. 3. LAK細胞によるPI/FITCのtwo color解析:LAK細胞を各種FITC標識抗体で4℃, 30分間染色後PBSで2回洗浄し, ETで4℃, 2時間固定した. 3回洗浄後PIを最終濃度が50μg/mlとなるように添加し直ちに測定した. また今回はRN_ase 処理は省略した. 【結果】1. 今回検討した抗体のET固定による反応への影響はなく全て測定可能であったが, ET固定後に染色した場合, negative controlが非特異陽性を示し解析不能であった. また解析histogramのパターンも他のものと比較して変化していた. 2. ET固定の場合G_0 +G_1 期のCVは, 骨髄が2.2%, MNCでは2.3%と良好な結果が得られたが, PFA固定の場合いずれもCVが8%以上を示し, PFA固定はDNA cell cycleには不適当であった. 3・培養4日目のLAK細胞で表面マーカーの陽性率が増加したものは, 抗Leu-2a, IL-2R, Transferrin R, Leu-9, Leu-7, Leu-11a, HLA-DR, 逆に減少したものは抗Leu-4, Leu-3a, あまり変化しなかったものはTCR-1, Leu-12であった. また陽性率が増加したものは全ての細胞周期で陽性を示したが抗Transferrin RのみS期, G2+M期が陽性でG_0 +G_1 期は陰性であった. 抗Leu-4も全ての細胞周期で陽性を示したが, 抗Leu-3aはG_0 +G_1 期のみ陽性であった. またLAK細胞のDNA量の測定で新鮮な状態でET固定したものとFITC標識抗体を反応後ET固定したものでG_0 +G_1 期のCVに差はなかった. 【結論】今回の検討から各種FITC標識抗体を反応後ET固定することにより, FCMで増殖状態にある腫瘍細胞のDNA cell cycleと表面マーカーのtwo color解析が可能である.
ISSN:0546-1448