細胞融合法によるモノクロナール抗P_1 抗体について

細胞融合法により, マウスモノクロナール抗P_1 抗体が, 2クローン得られたので, 特異性と性状について検討した. 免疫原はヒトリンパ球を使用し, 8週令BALB/cマウスの腹腔内に, 1X10^8 個を4回免疫した. 細胞融合は, 最終免疫の3日後に常法に従って行なった. 培養上清のスクリーニングは, 赤血球凝集反応にて行なった. 特異性の検討は, P_1 血球, P_2 血球, P_1 ^K 血球, P_2 ^K 血球, p血球を使用した. 更に, 既知のオリゴ糖質(シンソーブ)を使用し, 検討を加えた. クローニングは限界希釈法により行なった. 抗体活性の認められた培養上清はP_1 +...

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Veröffentlicht in:日本輸血学会雑誌 1990, Vol.36 (2), p.350-350
Hauptverfasser: 渡辺典子, 宮村友造, 内川誠, 佐藤周平, 真野能陳, 津久井和夫, 徳永栄一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:細胞融合法により, マウスモノクロナール抗P_1 抗体が, 2クローン得られたので, 特異性と性状について検討した. 免疫原はヒトリンパ球を使用し, 8週令BALB/cマウスの腹腔内に, 1X10^8 個を4回免疫した. 細胞融合は, 最終免疫の3日後に常法に従って行なった. 培養上清のスクリーニングは, 赤血球凝集反応にて行なった. 特異性の検討は, P_1 血球, P_2 血球, P_1 ^K 血球, P_2 ^K 血球, p血球を使用した. 更に, 既知のオリゴ糖質(シンソーブ)を使用し, 検討を加えた. クローニングは限界希釈法により行なった. 抗体活性の認められた培養上清はP_1 +血球とは反応し, P_1 -血球とは反応せず, 抗P_1 抗体と同定された. このモノクロナール抗体は, 食塩水法では凝集を認めなかったがブロメリン法では強く凝集した. P_2 ^K 血球, p血球とは反応せず, また, P_1 -血球で吸収されなかった. シンソーブを用いて吸着試験を行なったところ, P_1 , p^K に共通なα Gal(1-4)β Galと交差反応を示したが, α Gal(1-4)β Gal(1-4)β Glc NAcと最も良く反応した. リンパ球で免疫し, モノクロナール抗P_1 抗体を得た. この抗体は, 酵素法で凝集活性を認めた. 血清学的には, P_1 -血球, P_2 ^K 血球, p血球とは凝集せず, 日常検査のP_1 血液型判定に使用可能であることがわかった.
ISSN:0546-1448