血小板輸血患者のHCV抗体に関する検討

I. 目的:最近カイロン社により開発されたC型肝炎ウイルス(HCV)抗体測定用ELISAを用い, 多供血者血液製剤である血小板輸血患者について, 輸血単位数とHCV抗体陽性率, 輸血開始後HCV抗体陽転の時期, および肝機能との関係について検討したので報告する. II. 対象および方法:本院にて血小板輸血を主とした血液製剤の輸血を施行し, 輸血開始後6ヵ月間以上経過を観察し得たAML23例, 再生不良性貧血6例, ALL5例, 悪性リンパ腫2例およびCML・赤白血病・神経芽細胞腫各1例を対象とした. 輸血後肝炎の判定は薬剤性と判断されるものは除き, 非A非B肝炎の診断基準に準じた. 輸血単位数...

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Hauptverfasser: 川平宏, 並木浩信, 星野茂角, 神田靖男, 馬場眞澄
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:I. 目的:最近カイロン社により開発されたC型肝炎ウイルス(HCV)抗体測定用ELISAを用い, 多供血者血液製剤である血小板輸血患者について, 輸血単位数とHCV抗体陽性率, 輸血開始後HCV抗体陽転の時期, および肝機能との関係について検討したので報告する. II. 対象および方法:本院にて血小板輸血を主とした血液製剤の輸血を施行し, 輸血開始後6ヵ月間以上経過を観察し得たAML23例, 再生不良性貧血6例, ALL5例, 悪性リンパ腫2例およびCML・赤白血病・神経芽細胞腫各1例を対象とした. 輸血後肝炎の判定は薬剤性と判断されるものは除き, 非A非B肝炎の診断基準に準じた. 輸血単位数は供血者1人からの製剤を1単位とし, 輪血開始以前にHCV抗体陽性の症例は除外した. III. 成績:各疾患におけるHCV抗体陽性率はAML39.1%(9/23), 再生不良性貧血66.7%(4/6), ALL20.0%(1/5), 悪性リンパ腫50.0%(1/2), CML 0%(0/1), 赤白血病0%(0/1), 神経芽細胞腫100.0%(1/1)であり, 全体のHCV抗体陽性率は41.0%(16/39)であった. また, HCV抗体陽性群16例と陰性群23例に分けて輸血単位数および経過観察月数を比較すると, 陽性群では837.5±588.6単位, 13.1±6.2ヵ月. 陰性群では559.1±306.4単位, 9.4±3.6ヵ月でどちらも有意(P
ISSN:0546-1448