医療従事者のHCV抗体検出率について

目的:医療従事者は血液由来ウィルス感染のhigh risk groupとされている. 今回演者らは当院職員494名についてHCV感染の実態を知るためにHCV抗体(Chiron)の測定を行った. 方法:血液に接する機会の多い医療職々員(医師, 看護婦, 血液に接する検査技師)287名をhigh risk group(A群)とし, これに該当しない職員(非医療職も含む)207名をlow risk group(B群)とした. HCV抗体はOrtho Japan社より提供されたEIAキットにより測定した. 成績:(1)494名中HCV抗体陽性者は9名(1.8%)であったが, うち4名に輸血歴(うち3名...

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Hauptverfasser: 上司裕史, 福田彰, 矢倉道泰, 原田英治, 大林明, 片山透, 上沼優子
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:目的:医療従事者は血液由来ウィルス感染のhigh risk groupとされている. 今回演者らは当院職員494名についてHCV感染の実態を知るためにHCV抗体(Chiron)の測定を行った. 方法:血液に接する機会の多い医療職々員(医師, 看護婦, 血液に接する検査技師)287名をhigh risk group(A群)とし, これに該当しない職員(非医療職も含む)207名をlow risk group(B群)とした. HCV抗体はOrtho Japan社より提供されたEIAキットにより測定した. 成績:(1)494名中HCV抗体陽性者は9名(1.8%)であったが, うち4名に輸血歴(うち3名に輸血後肝炎)があった. この4名を除外すると1.0%(5/490)となった. (2)前記4名を除外してのA群, B群別のHCV抗体検出率はA群1.1%(3/284), B群1.0%(2/206)であり, 両群に差は認められなかった. また, A, B群とも男女間の検出率に差はなかった. (3)A群のHCV抗体陽性者3名は40才代(1名), 50才以上(2名)に認められたのに対して, B群の陽性者2名は20才代と40才代のものであった. まとめ:当院における職員を血液由来ウィルス感染のhigh risk groupとlow risk groupに分けてHCV抗体の出現頻度を観察したが, 両群いずれも1.0%程度で差は認めなかった. A群におけるHCV抗体陽性者が高年齢層のみにみられたことは, 過去における院内HCV汚染の表現かもしれない.
ISSN:0546-1448