開心術に伴なう院内血小板アフェレーシスの現状
(目的)当院においては従来より, 開心術施行に先立ち輸血用血小板の安定確保を目的とした院内成分輸血供血者の検査を行なってきた. 以前は日赤からの血小板の安定供給が得られにくいため, 院内血小板アフェレーシスにより血小板減少に起因する開心術後早期の出血傾向に迅速に対処してきた. しかしながら, 日赤の濃厚血小板液がほぼ安定して供給されるようになり, また血小板製剤の使用基準の見直しなど, 濃厚血小板製剤への転換を計る必要がでてきた. 今回, 院内血小板アフェレーシス施行の現状より, 稀少血液症例, 重症症例を考慮に入れた対応について問題点を検討した. (対象および方法)1989年1月より12月ま...
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Veröffentlicht in: | 日本輸血学会雑誌 1990, Vol.36 (2), p.331-331 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | (目的)当院においては従来より, 開心術施行に先立ち輸血用血小板の安定確保を目的とした院内成分輸血供血者の検査を行なってきた. 以前は日赤からの血小板の安定供給が得られにくいため, 院内血小板アフェレーシスにより血小板減少に起因する開心術後早期の出血傾向に迅速に対処してきた. しかしながら, 日赤の濃厚血小板液がほぼ安定して供給されるようになり, また血小板製剤の使用基準の見直しなど, 濃厚血小板製剤への転換を計る必要がでてきた. 今回, 院内血小板アフェレーシス施行の現状より, 稀少血液症例, 重症症例を考慮に入れた対応について問題点を検討した. (対象および方法)1989年1月より12月までの1年間に院内供血者検査を行なった症例129例を対象に, 術前および術後における不規則抗体の出現数, Rh(-)血液数, について調べ, 血小板製剤の使用理由について検討した. また, 輸血に伴う合併症の有無についても調査した. (結果)対象129例中, 54例に(延べ73回), 院内血小板アフェレーシスを施行し, 129例中2例はRh(-)の血液型で, 4例に不規則抗体陽性(抗E1例, 抗M1例, 抗HI1例, 抗E+c1例)を認めた. 院内血小板アフェレーシス施行症例54例の内訳は, 再開心術13例, 慢性腎不全合併6例, 先天性心疾患6例, その他29例であった. 輸血後の合併症として特記すべきものは無かった. (考察)現状における院内血小板アフェレーシスの利点は, 術前よりその使用が予想される不規則抗体陽性, あるいはRh(-)などの比較的特殊な症例に対応できる点である. また, 開心術時の血小板輸血の特徴としては, 必要となった時にすぐ使用したいという時間的要求が重要な問題点であり, 依然として院内血小板アフェレーシスに頼る事がある. 今後の濃厚血小板製剤への転換を行なうにあたり, 以上の点での改善が望まれる. |
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ISSN: | 0546-1448 |