市販モノクローナル抗M, 抗Nの検討

マウスハイブリドーマで得られた市販モノクローナル血清の抗M3社, 抗N2社について, 市販ポリクロナール血清での反応でM・MN・N型のMi. II, MN・N型のMi. III, M・MN型のabnormalなMiltenberger陽性, M型のMi. V, MN・N型のTd+, M・MN・N型のSt(a+)血球を用いて検討した. 1社の抗NとM型のabnormalなMiltenberger陽性血球及びM型St(a+)型血球の反応成績以外は, ポリクロナール血清とモノクロナール血清の成績が一致した. 市販ポリクロナール血清でM型と判定されるabnormalなMiltenberger陽性血球とM型のSt(a+)血球には高力価抗NとM型より強く反応することが知られている. ポリクロナール血清との反応成績が不一致を示したモノクロナール抗Nは高力価であり, そのMiltenberger陽性血球と弱く反応したものと考えられる. また, そのSt(a+)血球との強陽性反応は, 高力価のためのみならず, St(a+)血球と強く反応する性質のためと考えられる.