冷凍術前貯血を用いた自己血輸血の試み

1988年末より岐阜県赤十字血液センターの協力の下に冷凍術前貯血を始め, 自己血輸血を試みたので報告する. 症例:対象は整形外科5例(腰椎分離辷り症, scoliosis, THR)及び小児開心術2例(ASD, VSD)で, drainage血の再利用以外の自己血輸血法を施行し, 液状貯血の一部にはswitch back法を応用した. 年齢は7~62歳. 採血間隔は4日~4週で, 1回に循環血液量(TBV)の6.3~15.9%を貯血した. 貯血中は経口鉄剤を服用し, 一部は採血時に輸液を補った. 術前貯血量は1,150~4,800ml(34~147%TBV相当)で, 1週間に2.8~10.5%...

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Hauptverfasser: 大塚節子, 野田紀子, 長屋昌幸, 佐藤弦士朗, 野間昭夫, 桑原高志, 細江英夫, 森義雄, 丹野恵永子, 西尾章, 広瀬光男
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:1988年末より岐阜県赤十字血液センターの協力の下に冷凍術前貯血を始め, 自己血輸血を試みたので報告する. 症例:対象は整形外科5例(腰椎分離辷り症, scoliosis, THR)及び小児開心術2例(ASD, VSD)で, drainage血の再利用以外の自己血輸血法を施行し, 液状貯血の一部にはswitch back法を応用した. 年齢は7~62歳. 採血間隔は4日~4週で, 1回に循環血液量(TBV)の6.3~15.9%を貯血した. 貯血中は経口鉄剤を服用し, 一部は採血時に輸液を補った. 術前貯血量は1,150~4,800ml(34~147%TBV相当)で, 1週間に2.8~10.5%TBVを貯血した. 5例に稀釈式及び術中回収式自己血輸血を施行した. 結果:総出血量は1,900~13,000mlであり, 7例中2例が同種血輸血を必要とした(自己血/総輸血量:55%, 86%). 自己血輸血の完遂のためには, 正確な出血量予測(MSBOS)と, 種々の自己血輸血法を併用することが重要と考えられた.
ISSN:0546-1448