大動脈手術における自己血輸血の有用性

目的:自己血輸血は他家血輸血量を減らし感染症やアレルギー反応等の合併症を予防できる利点がある. 今回我々は大動脈手術例において自己血輸血装置を使用した10例と非使用10例とで各種のパラメータの差を検討した. 対象:使用群は胸大動脈瘤3例, 腹大動脈瘤5例, 閉塞性動脈硬化症2例で平均年齢は68歳であった. 非使用群は胸大動脈瘤3例, 腹大動脈瘤7例で平均年齢は62歳であった. 結果:自己血輸血は総輸血量の17.2%~100%であった. 赤血球量, ヘモグロビン量, ヘマトクリット値, 血小板数, GOT, GPT, LDH, 血清ビリルビン値, プロトロンビン時間, BUN, クレアチニンにつ...

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Hauptverfasser: 大場泰洋, Alam Shafiqul, 田口雅勝, 黒柳裕, 錦見尚道, 桜井恒久, 矢野孝, 塩野谷恵彦
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的:自己血輸血は他家血輸血量を減らし感染症やアレルギー反応等の合併症を予防できる利点がある. 今回我々は大動脈手術例において自己血輸血装置を使用した10例と非使用10例とで各種のパラメータの差を検討した. 対象:使用群は胸大動脈瘤3例, 腹大動脈瘤5例, 閉塞性動脈硬化症2例で平均年齢は68歳であった. 非使用群は胸大動脈瘤3例, 腹大動脈瘤7例で平均年齢は62歳であった. 結果:自己血輸血は総輸血量の17.2%~100%であった. 赤血球量, ヘモグロビン量, ヘマトクリット値, 血小板数, GOT, GPT, LDH, 血清ビリルビン値, プロトロンビン時間, BUN, クレアチニンについて検討したが, 両群における統計学的な有意差は認められなかった. 結語:自己血輸血は, 1)輸血後感染症の防止, 2)同種抗体生成の予防, 3)交差試験が不要, 4)輸血後GVHDの予防, 5)アレルギー反応の予防等の利点が認められた.
ISSN:0546-1448