通常のHBV血清マーカー陰性の洗浄赤血球輸血後に発病したB型肝炎の1例
通常の方法でHBV血清マーカー陰性の洗浄赤血球輸血後に典型的なB型肝炎が発症した1例を経験したので報告する. 症例は4歳の女児. 先天性球状赤血球症による貧血に対し乳児期より赤血球輸血を繰り返し受けていた. 昭和63年7月14日腹痛を訴え来院, 肝脾腫, 黄疸が著明で肝機能異常が認められた. HBs-Ag(16,000)HBsAb(-), HBeAg(+), HBcAb(+)(IgM, IgG)で急性B型肝炎と診断された. 経過は血清GPTは速やかに低下し, HBVの血清マーカーは急性肝炎の経過をたどり, seroconversionが認められた. 感染源は輸血以外に認められず, 発病4ヵ月前...
Gespeichert in:
Hauptverfasser: | , , , , , , |
---|---|
Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 通常の方法でHBV血清マーカー陰性の洗浄赤血球輸血後に典型的なB型肝炎が発症した1例を経験したので報告する. 症例は4歳の女児. 先天性球状赤血球症による貧血に対し乳児期より赤血球輸血を繰り返し受けていた. 昭和63年7月14日腹痛を訴え来院, 肝脾腫, 黄疸が著明で肝機能異常が認められた. HBs-Ag(16,000)HBsAb(-), HBeAg(+), HBcAb(+)(IgM, IgG)で急性B型肝炎と診断された. 経過は血清GPTは速やかに低下し, HBVの血清マーカーは急性肝炎の経過をたどり, seroconversionが認められた. 感染源は輸血以外に認められず, 発病4ヵ月前に洗浄赤血球1単位の輸血を受けたが, その供血者の再検を行なった結果, HBsAg(-)(RPHA, EIA), HBsAb(+)〔弱陽性〕, HBeAg(-), HBeAb(+), HBcAb(+)であり, 不顕性感染者と思われた. 本症例から, 輸血の際には非A非B型肝炎のみならず, B型肝炎のriskも存在することを念頭におかなければならないものと改めて認識させられた. |
---|---|
ISSN: | 0546-1448 |