濃縮回転培養法におけるLAK細胞の増殖率向上の検討
【目的】悪性腫瘍のLAK細胞を用いた養子免疫療法を実施する上で, より高い抗腫瘍効果を期待するにはkiller活性の強いLAK細胞の多量投与が必要とされている. 我々は濃縮回転培養法によるLAK細胞の増殖培養を行い, 10^9 ~10^10 個レベルでkiller活性の強いLAK細胞の増殖培養が可能であることを報告してきた. 今回, 患者リンパ球の一層の有効利用を目的として, より効率の高い培養方法の検討を行ったので報告する. 【方法】患者または健常者より採取, 分離された単核球を20%AB血清, rIL-2(TGP-3武田)5U/mlを含むRPMI-1640培地(以下内液)500mlに浮遊後...
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Format: | Tagungsbericht |
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Zusammenfassung: | 【目的】悪性腫瘍のLAK細胞を用いた養子免疫療法を実施する上で, より高い抗腫瘍効果を期待するにはkiller活性の強いLAK細胞の多量投与が必要とされている. 我々は濃縮回転培養法によるLAK細胞の増殖培養を行い, 10^9 ~10^10 個レベルでkiller活性の強いLAK細胞の増殖培養が可能であることを報告してきた. 今回, 患者リンパ球の一層の有効利用を目的として, より効率の高い培養方法の検討を行ったので報告する. 【方法】患者または健常者より採取, 分離された単核球を20%AB血清, rIL-2(TGP-3武田)5U/mlを含むRPMI-1640培地(以下内液)500mlに浮遊後, 濃縮回転培養bag(CC-5100川澄化学工業)のinner bagに注入, outer bagにはRPMI-1640培地(以下外液)のみ2000mlを注入した. 専用agitator(KL-5000)に装着後, 37℃恒温室にて回転培養を行った. 6日間の培養後2bagへ分割, さらに1bag当りの細胞数が5~6×10^9 個に増殖した時点で再び分割, 培養を継続した. また外液のlactateおよびglucoseを同時に測定し, 外液交換の指標とした. 【結果】培養開始時に1bag当り各々1~7×10^9 個の細胞数にて培養を開始した20例の結果では, 細胞増加率と培養開始時細胞数との間に逆相関が認められ, 1~2×10^9 個より開始したものが最も増加率が良く, 10~20倍の増加率であった. また, 4×10^9 個以上より培養を開始したものは, 従来の増加率と同様であった. しかし, これらの増加率とRaji cellをtargetとするkiller活性との間には過去の33例の短期培養の結果と同様に有意な相関は認められなかった. しかし30倍以上に増加させたものについては, kiiier活性が低下する傾向にあった. また, 外液のlactateは最大で60~70mg/dlに増加した時, glucoseは最小で120~130mg/dlに減少した段階が最適な外液交換時期であった. 【考察】濃縮回転培養bagによるLAK細胞の増殖率は, 培養開始時細胞数に依存していると思われた. すなわち, 1×10^9 個より培養を開始し, 細胞数が2×10^9 個になった段階で2bagへ分割, さらに各々がまた2×10^9 個になった時に4bagへ分割, その後そのまま培養を継続することで, 10~20倍の増加率が得られた. このことは一回のリンパ球採取により余剰となったリンパ球の凍結保存, 解凍, 増殖培養, それに伴うLAK細胞の計画的投与への可能性を示唆し, 現在検討中である. また外液交換の時期もlactateやglucoseの値を測定することにより, より客観的に行えた. |
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ISSN: | 0546-1448 |