HTLV-IのGag-Env融合蛋白質抗原を用いたWestern Blot法の検討
【目的】HTLV-I抗体検査の有効な確認法を求める目的で「遺伝子工学的手法で生産したGag-Env融合蛋白質抗原を用いたWestern Blot法(GE-WB法)」を検討した. 【方法】(1)ストリップの調製ミニゲル(9x7cm)1枚当たり15μgのCE蛋白をSDS-PAGEにかけ, ニトロセルロース膜へ転写した. BLOTTO(スキムミルク)液でブロッキングした後, 3.5mm幅に切断し, -80℃で保存した. (2)Assay法:上記ストリップを用い, 血清と37℃2時間, ビオチン化ヒトIgGと室温1.5時間, アビジン化標識酵素と室温1時間, 基質液と室温30分, 反応させた. 25K...
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Veröffentlicht in: | 日本輸血学会雑誌 1989, Vol.35 (2), p.261-261 |
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Hauptverfasser: | , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】HTLV-I抗体検査の有効な確認法を求める目的で「遺伝子工学的手法で生産したGag-Env融合蛋白質抗原を用いたWestern Blot法(GE-WB法)」を検討した. 【方法】(1)ストリップの調製ミニゲル(9x7cm)1枚当たり15μgのCE蛋白をSDS-PAGEにかけ, ニトロセルロース膜へ転写した. BLOTTO(スキムミルク)液でブロッキングした後, 3.5mm幅に切断し, -80℃で保存した. (2)Assay法:上記ストリップを用い, 血清と37℃2時間, ビオチン化ヒトIgGと室温1.5時間, アビジン化標識酵素と室温1時間, 基質液と室温30分, 反応させた. 25KDの位置のバンドを目視およびデンシトメータ(島津CS-9000)で読み取った. (3)検体:献血者血清または血漿. PA法陽性306検体を対象とし, WB, IF, エイテスト, GE-ELISA法でも測定した. (+)コントロールとしてPA12管かつ全法陽性の単一血漿, (-)コントロールとしてPA法陰性のプール血清を用いた. 【結果】(1)被検血清量・被検血清(血漿)量を変えて25kDのバンドを調べた. (+)コントロールでは0.04μlでも肉眼でバンドが確認でき, 血漿量の増加に伴い濃度が増大した. (-)コントロールではロットにより15μlでかすかにバンドが認められたが, 4μl以下では認められなかった. 被検血清量は4μlとした. (2)他法との比較:上記5法で306検体を調べたところ, 全法陽性検体が132, 不一致検体のうち, PA法のみの陽性が168, その他が6検体あった. 全法陽性検体については, GE-WB法でもすべて, 目視でバンドが認められ, CS9000値は, 2.2K-321.9Kであった. PA法のみの陽性検体(一部未検査)では, その最大値が0.8Kで, 多くは0.1K未満であり, 目視ではバンドが認められなかった. その他の不一致6検体についてはIFの結果と一致した. 【結論】HTLV-I抗体検査の確認法の一つであるWB法は, 他の方法に比べて, 判定の客観性が高く特異性が確認しやすいという長所を有している. 我々は, 今回, その抗原として組替え型Gag-Env融合蛋白質抗原の使用を試み, 良好な成績を得た. |
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ISSN: | 0546-1448 |