フローサイトメトリーを用いた抗リンパ球抗体・抗血小板抗体の測定

I)目的:フローサイトメトリー(以下FCM)を用いて抗リンパ球抗体および抗血小板抗体を測定する判定基準を設定した. FCMの臨床的評価を立証するために, さらに抗体陽性である患者血清を用いて検討したので報告する. II)対象および方法:対象はLCTまたはMPHAが陽性である頻回血小板輸血患者24例で, FCMの測定に用いた血球は10人のO型健康者から採取した血液をリンパ球と血小板に分離した. LCTはNIHの標準法, MPHAは柴田らの方法に従い, そしてFCMは前の演題で発表のごとく行った. また, 血小板輪注効果を回収率で求め結果判定の参考にした. III)成績:LCT陽性の24例をFCM...

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Veröffentlicht in:日本輸血学会雑誌 1989, Vol.35 (2), p.227-227
Hauptverfasser: 並木浩信, 宮澤浩子, 川平宏, 星野茂角, 志田光正, 神田靖男, 馬場真澄
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:I)目的:フローサイトメトリー(以下FCM)を用いて抗リンパ球抗体および抗血小板抗体を測定する判定基準を設定した. FCMの臨床的評価を立証するために, さらに抗体陽性である患者血清を用いて検討したので報告する. II)対象および方法:対象はLCTまたはMPHAが陽性である頻回血小板輸血患者24例で, FCMの測定に用いた血球は10人のO型健康者から採取した血液をリンパ球と血小板に分離した. LCTはNIHの標準法, MPHAは柴田らの方法に従い, そしてFCMは前の演題で発表のごとく行った. また, 血小板輪注効果を回収率で求め結果判定の参考にした. III)成績:LCT陽性の24例をFCMで検査した. そのうちFCM陽性は19例(79.2%), 陰性は5例(20.8%)であった. 陰性5例のFCM螢光率は, 0.6~24.4(平均9.9)%であり, そのうち2例に血小板輸注効果があった. また, FCM陰性5例のLCT法抗体価は2^1 ~2^3 であり, 10のパネル血球のうち2~3に陽性であった. またMPHA陰性を含む24例のFCM検査では, 陽性は23例(95.8%), 陰性は1例(4.2%)であった. 陰性の1例はMPHAでも陰性であった. また, FCM陽性を示した23例中3例(13.0%)はMPHAで陰性であった. この3例は10のパネル血球のうち1のみ陽性であった. また, 螢光率は, それぞれ21.0%, 30.0%, 31.4%であった. そして, 2例に輸注効果があった. IV)結語:1)抗リンパ球抗体, 抗血小板抗体が高力価でBroad-Type抗体の対象ではFCMとも良く相関した. 2)しかし, 低力価でNarrow-Type抗体については, 不一致が見られた. 3)特にFCM陰性でLCT単独陽性例については, 血小板輸注効果の認められる例が見られた. 4)LCT陽性, FCM陰性例の中にはIgM抗体の検出の可能性があった.
ISSN:0546-1448