フローサイトメトリーを用いた抗リンパ球抗体・抗血小板抗体の測定

I)目的:最近フローサイトメトリー(以下FCM)を利用した抗リンパ球抗体, 抗血小板抗体の検出方法が報告されている. しかし, 判定基準(螢光陽性細胞率)が報告書により異なっているのが実情である. 今回私達は陽性, 陰性の判定基準を決定する基礎的検討を行ったので報告する. II)対象および方法:10人のO型健康者から採取した血液をリンパ球と血小板に分離した. また陰性対象は健康成人男性30人の血清を用い, CaイオンフリーPBSで4倍に稀釈した調整プール血清100μlを室温で30分間血球と反応させた後, PBSで3回洗浄した. 二次抗体は100倍稀釈したFITC標識ヤギ抗ヒトIgG100μlを...

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Veröffentlicht in:日本輸血学会雑誌 1989, Vol.35 (2), p.226-226
Hauptverfasser: 並木浩信, 宮澤浩子, 川平宏, 星野茂角, 志田光正, 神田靖男, 馬場真澄
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:I)目的:最近フローサイトメトリー(以下FCM)を利用した抗リンパ球抗体, 抗血小板抗体の検出方法が報告されている. しかし, 判定基準(螢光陽性細胞率)が報告書により異なっているのが実情である. 今回私達は陽性, 陰性の判定基準を決定する基礎的検討を行ったので報告する. II)対象および方法:10人のO型健康者から採取した血液をリンパ球と血小板に分離した. また陰性対象は健康成人男性30人の血清を用い, CaイオンフリーPBSで4倍に稀釈した調整プール血清100μlを室温で30分間血球と反応させた後, PBSで3回洗浄した. 二次抗体は100倍稀釈したFITC標識ヤギ抗ヒトIgG100μlを用い, 室温で30分反応させた後, PBSで1回洗浄した. 測定は自己コントロールを対照として, リンパ球では非特異性反応を示す細胞と陰性細胞の境界値で陽性, 陰性を分けた. また, 血小板では自己コントロールの陽性領域側が1%になるチャンネル値を領域の境界とした. そして, 各検体の実測値からコントロール値を差し引いた値を螢光陽性細胞率とした. 得られた値以下を陰性群とし, 有意差検定から判定基準を決定した. III)成績:抗リンパ球抗体については, 陰性コントロールの平均値は9.72%標準偏差は7.35%であり, 20%以上を抗体陽性とした時の有意差検定では危険率1%以下で有意差があった. 抗血小板抗体については, 平均値1.18%, 標準偏差1.39%であり, 10%以上を抗体陽性とした時, 危険率1%以下で有意差が認められた. IV)結語:1)抗リンパ球抗体については, 平均値±3SDの値が22.1%になるため, 30%以上を陽性とした. 2)抗血小板抗体については, 稀に健康者でも10%前後の反応を示す例があるため, 20%以上を陽性とした.
ISSN:0546-1448