モノクローナル抗K2により検出したMcLeodの1家系について
【目的】南大阪センターにおいてモノクローナル抗体(NoAbと略)K2で, 昭和62年7月から血球スクリーニング:を行い, この抗体と反応の弱い数例を検出した. この中の1例について電子顕微鏡像, フローサイメトリー法(FCMと略)及び生化学的検査等の精査を行った所, McLeod型と考えられる所見を得たのでその成績を報告する. 【材料および方法】血球のスクリーニングは大阪センター製のMoLebK2(OSK-5)を用いてG2000で行った. 精査は市販抗血清及び北海道センター製のMoAb K5を用いた. 血清学的方法は成書に従い, FCMはオーソ社サイトロンで田中らの方法で行った. 電子顕微鏡は...
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Zusammenfassung: | 【目的】南大阪センターにおいてモノクローナル抗体(NoAbと略)K2で, 昭和62年7月から血球スクリーニング:を行い, この抗体と反応の弱い数例を検出した. この中の1例について電子顕微鏡像, フローサイメトリー法(FCMと略)及び生化学的検査等の精査を行った所, McLeod型と考えられる所見を得たのでその成績を報告する. 【材料および方法】血球のスクリーニングは大阪センター製のMoLebK2(OSK-5)を用いてG2000で行った. 精査は市販抗血清及び北海道センター製のMoAb K5を用いた. 血清学的方法は成書に従い, FCMはオーソ社サイトロンで田中らの方法で行った. 電子顕微鏡は日本電子JEOLJEM1200EXを用い, 直接固定法で試料を作製した. 【成績】発端者(N. S)は21歳輸血歴のない健康な男性である. N. S血球のMoAbK2による被凝集価は4倍の低力価であった(対照32倍). N. Sの家系調査の結果N. Sの父(I-1は正常, 母(I-2)は4倍と低値を示した. 妹(II-2)は8倍でfree cellsを認めた. FCMの成績は, MoAb K2に対して, I-1は162.7, I-2は22.1で, 発端者II-1は23.3, II-2は58.9であった. この中でII-2のヒストゲラムが他の3名とは異なったモザイクパターンであった他のKell系抗体でも同様の成績を示した. この家系の赤血球像を電子顕微鏡で観察した所, I-1は対照同様であったが, 他の3名には大小不同とacanthocytosisを認めた. CPKの値は正常30-160に対し, II-1は382とかなり高値であった. 【考察及び結語】MarshによるMcLeod症候群の特徴は, acanthocytosisの出現, CPKの高値及びその姉妹, 母のモザイクをあげている. 発端者N. SはCPKの高値と赤血球像からMcLeodが疑われ, さらに妹II-2のFCNの成績がモザイクヒストグラムパターンである点でもその可能性が高い. しかし発端者の母I-2のFCNの成績では発端者と同様で, しかもモザイクを認めない点でこれまでの報告とは異なっている. 2代に亘ったMcしeodか否かについては今後検討する. |
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ISSN: | 0546-1448 |