赤血球膜固相ELISAによるAおよびB transferase活性の測定
目的:現在ABO式血液型物質の生合成に関与するAおよびB transferase活性の測定には, 主にガルサーブAB(製鉄化学)が用いられている. しかしこの方法(以下凝集法)は, 半定量であり凝集を肉眼で判定するために, 試験者の主観による誤差が生じやすい. そこで今回, 定量性, 客観性に優れたenzyme-linked immunosorbent assay(ELISA)により, AおよびB transferase活性の測定を試みたので報告する. 方法:永峰らの方法に従い赤血球膜固相プレートを作成した. ELlSAによるtransferase活性の測定は, 赤血球膜固相プレートにガルサー...
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Zusammenfassung: | 目的:現在ABO式血液型物質の生合成に関与するAおよびB transferase活性の測定には, 主にガルサーブAB(製鉄化学)が用いられている. しかしこの方法(以下凝集法)は, 半定量であり凝集を肉眼で判定するために, 試験者の主観による誤差が生じやすい. そこで今回, 定量性, 客観性に優れたenzyme-linked immunosorbent assay(ELISA)により, AおよびB transferase活性の測定を試みたので報告する. 方法:永峰らの方法に従い赤血球膜固相プレートを作成した. ELlSAによるtransferase活性の測定は, 赤血球膜固相プレートにガルサーブABのAおよびB緩衝液20μl, 基質液10μl, 被検血清50μlを加え, 37℃で1時間反応させ, PBSで2回洗浄した. 次に10倍に希釈した抗Aおよび抗B血清(オルソー社:バイオクローン)100μlを加え, 室温で30分間反応させ, PBSで6回洗浄した. 次に, ALK. P標識抗マウスIgM抗体:×1000(ZYMED社)を100μl加え, 37℃で1時間反応させ, PBSで6回洗浄した. 基質液を100μlを加え室温で45分間発色させた後, 反応停止液50μlを加え, 405nmで吸光度を測定した. 検体の吸光度をO型血清の吸光度で割った値をtransferase活性の単位数として表した. 結果:transferase活性の凝集法の凝集価とELlSAの単位数は, A transferase活性で検体1(8倍, 1.34)検体2(16倍, 1.64)検体3(16倍, 2.56)検体4(32倍, 3.24)検体5(32倍, 3.35)検体6(64倍, 4.39). B transferase活性で検体7(64倍, 2.33)検体8(64倍, 2.83)検体9(64倍, 3.27)であった. また, 基質濃度を上げた場合や, 赤血球膜にブロメリン処理を行った場合に吸光度の上昇がみられた. 結論:ELISA法は, 凝集法と高い相関がみられ, 客観性に優れておりtransferase活性の変動などの測定に有用と思われた. |
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ISSN: | 0546-1448 |