血友病患者におけるHIV抗原・抗体の検討

(目的)HIV抗原はHIVと感染が成立すると, 感染後2~3週頃から3ヵ月頃にかけて血中に出現する為早期発見に, またARCからAIDSに進行するにつれ再び血中に出現することから, HIV感染の病態を知る意味で抗原検査の意義は大きいと言われている. 今回我々は, 血友病患者におけるHIV抗原・抗体検索の機会を得たので報告する. (方法)HIV抗原はEIA法(ダイナボット社), 抗体検査はPA法(富士レビオ社), EIA法(ダイナボット), WB法(日本バイオラッド社)で実施した. (結果)血友病患者14名におけるHIV抗体陽性者数は10名(71.4%)で陰性4名であった. HIV抗原検査が実施...

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Hauptverfasser: 緒方俊郎, 鳩野妙子, 松本恵美子, 佐藤昌彦, 真田功, 紫藤忠博
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:(目的)HIV抗原はHIVと感染が成立すると, 感染後2~3週頃から3ヵ月頃にかけて血中に出現する為早期発見に, またARCからAIDSに進行するにつれ再び血中に出現することから, HIV感染の病態を知る意味で抗原検査の意義は大きいと言われている. 今回我々は, 血友病患者におけるHIV抗原・抗体検索の機会を得たので報告する. (方法)HIV抗原はEIA法(ダイナボット社), 抗体検査はPA法(富士レビオ社), EIA法(ダイナボット), WB法(日本バイオラッド社)で実施した. (結果)血友病患者14名におけるHIV抗体陽性者数は10名(71.4%)で陰性4名であった. HIV抗原検査が実施できた4症例は, 4例とも抗原は陰性であった. 当院にてHIV抗体検査依頼(血友病症例を除く)のあった症例34名は抗原・抗体両方とも陰性であった. 院内新鮮血供血者18名も抗原・抗体陰性であった. 抗ATLA抗体陽性検体10例, HBs抗原陽性検体5例, 抗核抗体陽性検体10例は抗原・抗体陰性であった. (結語)今回使用したHIV抗原キットは, P-24抗体のみを測定するもので, 現在実施されているリンパ球培養法は, ルーチン検査としては不向きであると思われるので, 今後このようなHIV抗原検査は普及するものと思われる. 当院でもHIV感染の早期発見, HIVキャリアの経過観察に役立てうるか, 今後慎重に検討したい.
ISSN:0546-1448