当院におけるType and Screenの問題点について

I. 目的:Type and Screenには, 臨床医の充分な理解と協力, 一定レベルでの検査技術, 血液センターから供給される血液の信用性, 緊急時および抗体保有者の輸血の取り扱い, 患者情報管理, MSBOSなど数多くの問題が存在する. これらの問題を解決し, 安全な輸血業務の改善を試みたので報告する. II. 方法:過去2年間に当院輸血部を通して行なわれた輸血依頼および検査上の問題点を集計し分析した. III. 成績:1)伝票上の問題点:不適合輸血につながる可能性のあるミスは, 21,505件中57件(0.27%)に見られた. その内訳は, ABO式の書き違い17件, Dの書き違い2件...

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Veröffentlicht in:日本輸血学会雑誌 1988, Vol.34 (2), p.247-247
Hauptverfasser: 重田勝義, 舟根冨美子, 岩下洋一, 川田典子, 飯島雅子, 木村恵子, 奥田誠, 月本一郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:I. 目的:Type and Screenには, 臨床医の充分な理解と協力, 一定レベルでの検査技術, 血液センターから供給される血液の信用性, 緊急時および抗体保有者の輸血の取り扱い, 患者情報管理, MSBOSなど数多くの問題が存在する. これらの問題を解決し, 安全な輸血業務の改善を試みたので報告する. II. 方法:過去2年間に当院輸血部を通して行なわれた輸血依頼および検査上の問題点を集計し分析した. III. 成績:1)伝票上の問題点:不適合輸血につながる可能性のあるミスは, 21,505件中57件(0.27%)に見られた. その内訳は, ABO式の書き違い17件, Dの書き違い2件, 抗体保有者を陰性または無記入33件, イソプリンタの押し違い5件であった. 2)検体上の問題点:交差試験用検体の取り違いは21,930件中4件(0.02%)であった. 3)検査上の見落し:不規則性抗体の見落しは12,757件中4件(0.03%)にあり, その内訳は, 抗E2例, 抗Le^a 2例であった. これらはすべてブロメリン法のみに反応した弱い抗体であった. 4)日赤血の問題点:直接クームス陽性は19,825例中3例(0.015%), 不規則性抗体26,450例中18例(0.07%)抗M15例, 抗N1例, 抗P_1 2例, 強い寒冷凝集素17例(0.06%), その他の血液型検査ミス(Fy^b )1例であった. IV. 結論:不適合輸血を起こす割合は, 伝票処理だけの輸血では, ABO式で約1,000件に1件, 不規則抗体で約500件に1件の割合で発生する. 交差試験を行なうことにより, ABO式では100万件に1件, 不規則性抗体では100万件に9件に減少させることができる. すべての交差試験を行なわないことは, 現況では不可能であることがわかった. T&Sによる事故を防ぐために, 不規則性抗体検査を行なっていない者, 抗体保有者, 2回以上の血液型検査を行なっていない者を除外者として扱っている. 患者情報をコンピューター処理することにより, 更に事故を減少させることが可能になると思われる.
ISSN:0546-1448