濃縮回転培養法による臨床応用を目的としたLAK細胞の誘導
【目的】悪性腫瘍のLAK細胞を用いたadoptiveimmun. therapyは, 現在免疫療法の中で, 最も注目されている療法の1つである. しかし, その実施において, 患者リンパ球をいかに効率よく培養するかが, その普及における大きな問題となっている. そこで今回我々は, 先の本学会において発表したモノクローナル抗体産生hybridoma細胞の濃縮回転培養法:をLAK細胞の誘導に応用し, 良好な結果を得たので報告する. 【方法】透析膜より成るinner bag(容量1000ml)に20%AB serum加RPNl1640培地500ml, rlL-2(TGP-3タケダ)2~5U/ml,...
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Veröffentlicht in: | 日本輸血学会雑誌 1988, Vol.34 (2), p.216-216 |
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Hauptverfasser: | , , , , , , , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】悪性腫瘍のLAK細胞を用いたadoptiveimmun. therapyは, 現在免疫療法の中で, 最も注目されている療法の1つである. しかし, その実施において, 患者リンパ球をいかに効率よく培養するかが, その普及における大きな問題となっている. そこで今回我々は, 先の本学会において発表したモノクローナル抗体産生hybridoma細胞の濃縮回転培養法:をLAK細胞の誘導に応用し, 良好な結果を得たので報告する. 【方法】透析膜より成るinner bag(容量1000ml)に20%AB serum加RPNl1640培地500ml, rlL-2(TGP-3タケダ)2~5U/ml, 患者リンパ球0.5~1.0×10^10 個を加え, また塩化ビニール製outer bagには, RPMl1640培地のみを2000ml注入した. その後専用agitatorにbag全体を固定後, 5~6rpmの回転数にて, 37℃6~8日間の培養を行った. また患者リンパ球はIBH2997 blood cell separatorにより採取後, 採取bagごと大型遠心器を用いて洗浄, 血小板の除去を十分に行い, 次にIBM2991 blood cell processorを用いて比重遠心法にて単核球のみを分離し, 培養にもちいた. 【結果】上記培養条件における33例の培養開始時平均総細胞数は4.43×10^9 個, 培養終了時の総細胞数は3.18×10^9 個で, 平均細胞回収率は71.7%であった. またRaji cellをtargetとするkiller活性はE:T比20:1で平均65.4%であった. また細胞回収率はrIL-22U/mlより5U/mlにおいてよい傾向にあったが, killer活性には大差はなつかた. しかし従来のculture fIaskを用いた方法に比較して, 同一リンパ球においても高いkiller活性を持ったLAK細胞が誘導できた. これは表面マーカーの検索から, 本法ではCD8^+ , CD16^+ , Leu19^+ , OK-DR^+ , 1L-2R^+ などの表面マーカーを持った細胞が高率に培養, 保存されるため, またouter bagから十分な栄養供給が行われるためであると思われた. 【考察】Rosenbergらにより報告された臨床応用を目的としたLAK細胞の培養法では, 1X10^10 個のリンパ球の培養を行なうには, 2.3リットル容量のローラーボトルが7本, 培地7リットル, rIL-214000U~35000U(TGP-3相当)が必要となり, 大規模な設備が必要である. しかし本法では, 本bag1本で1X10^10 個のリンパ球の培養ができ, 大幅な培養規模の縮小を可能とした. また本法は操作が簡便で, 細菌汚染の可能性も低く臨床応用には有用であると思われた. |
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ISSN: | 0546-1448 |