ドナープラスマフェレーシスにおける安全性, および有用性の検討
【目的】我が国に於ける血漿製剤の需要は極めて多く, 現在の献血体制では需要に応じることは不可能である. そこで原材料の確保をするために, ドナープラスマフェレーシスによる血漿採取が試みられている. われわれはポリスルフォン膜を用いた膜型血漿分離器によるドナープラスマフェレーシスの供血者の安全性, 並びに採取した血漿の臨床的有用性について検討した. 【対象及び方法】対象は成人健康男子15名(27.7±5.7才), 女子5名(27.4±9.1才)の計2. 名で, Hb12g/dl以上, TP6.1g/dl以上, 心電図所見の異常のないものを供血者として選んだ. 血漿採取量は400mlであり, プラ...
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Veröffentlicht in: | 日本輸血学会雑誌 1988, Vol.34 (2), p.203-203 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】我が国に於ける血漿製剤の需要は極めて多く, 現在の献血体制では需要に応じることは不可能である. そこで原材料の確保をするために, ドナープラスマフェレーシスによる血漿採取が試みられている. われわれはポリスルフォン膜を用いた膜型血漿分離器によるドナープラスマフェレーシスの供血者の安全性, 並びに採取した血漿の臨床的有用性について検討した. 【対象及び方法】対象は成人健康男子15名(27.7±5.7才), 女子5名(27.4±9.1才)の計2. 名で, Hb12g/dl以上, TP6.1g/dl以上, 心電図所見の異常のないものを供血者として選んだ. 血漿採取量は400mlであり, プラスマフェレーシス施行前, 施行中, 施行直後, 施行24時間後, 及び採取血漿について, 生化学, 補体, 凝血学検査を行なった. 【結果】採取に要した時間は, 48.1±6.1分であった. 施行中, 供血者のバイタルサインに有意な変動はなく, また特記すべき副作用も見られなかった. 血算では, 白血球数, 血小板数は施行直後にやや減少したが24時間後には前値に復した. 生化学検査では総蛋白, アルブミン, IgGが施行直後に低下し, 24時間後にアルブミンは前値に復したが, 総蛋白, IgGは前値まで増加しなかった. 凝血学的にはフィブリノゲンは施行後に有意に低下し, 24時間後でも前値まで回復しなかったが, F.VIII:Cは施行後, 24時間後にむしろ増加した. βトロンポグロブリン, 血小板第4因子, フィブリノペプチドAは何れも施行後には低下し, 24時間後に前値に復した. C3a, C5aは施行中変動しなかった. また, 採取血漿中のフィブリノゲン, 第V因子, 第IX因子の回収率は約60%であった. 【結論】フェレーシス施行中, 自覚的並びにバイタルサイン, 血液検査所見で変化がなく, 供血者の安全性に関しては問題無いと思われた. 採取した血漿中の凝固因子, インヒピタの回収率は概ね良好であった. |
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ISSN: | 0546-1448 |