クームス弱陽性の自己免疫性溶血性貧血の一例
症例:26才, 女性. 既往歴:16才時, 貧血(原因不明). 家族歴:特記事項なし. 昭和60年6月7日, 眩暈と労作時の息切れを主訴に当院第二内科入院した. 入院時, 貧血と軽度の黄疸を認め, 腹部で脾を1横指触知した. 末梢血では, Hb5.4g/dl, RBC149x10^4 /立法ミリメートル, Reticulo. 212‰, WBC5600/立法ミリメートル, PLT17.8×10^4 /立法ミリメートルで, GOT27mIU, GPT16mIU, LDH787mIU(I型:43.3%. II型:45.5%), T-Bil1.9mg/dl, I-Bl0.6mg/dl, Haptog...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 日本輸血学会雑誌 1988, Vol.34 (2), p.189-189 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 症例:26才, 女性. 既往歴:16才時, 貧血(原因不明). 家族歴:特記事項なし. 昭和60年6月7日, 眩暈と労作時の息切れを主訴に当院第二内科入院した. 入院時, 貧血と軽度の黄疸を認め, 腹部で脾を1横指触知した. 末梢血では, Hb5.4g/dl, RBC149x10^4 /立法ミリメートル, Reticulo. 212‰, WBC5600/立法ミリメートル, PLT17.8×10^4 /立法ミリメートルで, GOT27mIU, GPT16mIU, LDH787mIU(I型:43.3%. II型:45.5%), T-Bil1.9mg/dl, I-Bl0.6mg/dl, Haptog-lobin:検出感度以下を示し, 黄疸は軽度であったが, 明らかな溶血を認めた. 直接クームス試験は, 広域, IgG, C_3 いずれも陰性で, 間接クームス試験は, 37℃(+^w ), 20℃(+)であった. 明らかな溶血と脾腫を認め, 直接クームス試験陰性であることより, 遺伝性球状赤血球症も疑われたが, LE test(+), 抗核抗体80×(+), 抗DNA抗体320×(+)を呈し, 自己免疫疾患の合併が考えられ, 6月28日には直接クームス試験は弱陽性を呈するようになった. クームス弱陽性の自己免疫性溶血性貧血(Autoimmune hemolytic anemia, AIHA)と診断, 副腎皮質ステロイド(PSL)30mgより治療を開始した. 治療後, 徐々に溶血は軽減し, 貧血も改善を示し, Hb11.4g/dlの時点で8月12日退院, 以後外来にてPSLを減量し, 63年1月現在, PSL5mgにてHb10.9~11.5g/dlを保っている. 考案:本例は溶血性貧血は明らかに認めたが, 当初, 直接クームス試験陰性を呈し, 陽性化後も弱陽性を示し, 診断に苦慮した1例である. 溶血性貧血の場合, 直接クームス試験陰性を呈しても, 頻回に検査を繰り返し, かつ疾患の背景因子を充分に考慮して診断する必要がある. |
---|---|
ISSN: | 0546-1448 |