肝臓・胃・卵巣の疾患におけるA及びB transferase活性の測定
目的:前回われわれは, 白血病患者血清中のA及びBtransferase活性の変動から骨髄との関連を検討した結果, 血清中のtransferaseは骨髄以外の臓器で主に産生されているのではないかと考えられた. そこで多量の血液型物質を産生していると思われる胃・卵巣と多くの種類の酵素を産生している肝臓について, それぞれの疾患時のtransferase活性を検討した. 対象及び方法:対象症例は肝癌5例, 肝硬変8例, 胃癌11例, 卵巣癌4例である. 患者血清を冷凍保存しておき, ガルサーブAB(製鉄化学)の使用説明書に従い, UDP-N-ガラクトサミンまたはUDP-ガラクトース存在下でO型プー...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 日本輸血学会雑誌 1988, Vol.34 (2), p.180-180 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 目的:前回われわれは, 白血病患者血清中のA及びBtransferase活性の変動から骨髄との関連を検討した結果, 血清中のtransferaseは骨髄以外の臓器で主に産生されているのではないかと考えられた. そこで多量の血液型物質を産生していると思われる胃・卵巣と多くの種類の酵素を産生している肝臓について, それぞれの疾患時のtransferase活性を検討した. 対象及び方法:対象症例は肝癌5例, 肝硬変8例, 胃癌11例, 卵巣癌4例である. 患者血清を冷凍保存しておき, ガルサーブAB(製鉄化学)の使用説明書に従い, UDP-N-ガラクトサミンまたはUDP-ガラクトース存在下でO型プール血球を被検血清によってA及びB型血球に転換させ, その被凝集価からtransferase活性を測定した. 結果:表1に示したように, 胃癌で活性の低下したものが多く認められた. また肝動脈血栓術後の症例では活性の増加がみられた. 表1. 疾患別transferase活性値の分布 考察:今回検討した疾患では, いずれも異常値を示した症例が多く, しかもそれらのほとんどが血液像はほぼ正常であり, 骨髄も正常と思われた. このことにより, やはり血清中のtransferaseは骨髄以外の臓器との関連が大きいと思われた. 特に肝動脈血栓術後のtransferase活性は1例ではあるが高値を示し, 肝細胞の破壊によるものと思われ, 肝臓が血清中のtransferase産生に大きく関与していると考えられた. |
---|---|
ISSN: | 0546-1448 |