習慣性流産の患者に見いだされたP_1 ^k の1例

P式血液型の稀な変異型P^k 型は1959年Mat-sonら1)により最初に報告された. Race&Sangerら2)によると1975年までに22家系が報告されており, うち10家系がフィンランド人である. 日本では1968年林田ら3)の報告が最初であり, その後10家系の報告3)5)~10)16)があるが, 何れも血清中に溶血性の抗P抗体を保有している事より発見されている. P式血液型においては抗PP_l P^k (抗Tj^a )を有するp型の女性の約半数が習慣性流産の既往を持つとされており, P^k 型においても同様に習慣性流産の既往を有する症例が多い. 今回, 私達も, 習慣性流...

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Veröffentlicht in:日本輸血学会雑誌 1988, Vol.34 (1), p.85-89
Hauptverfasser: 押田眞知子, 青地寛, 永峰啓丞, 林悟, 山本一恵, 吉川起代子, 倉田義之, 南川義夫, 佐治文隆, 谷澤修
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:P式血液型の稀な変異型P^k 型は1959年Mat-sonら1)により最初に報告された. Race&Sangerら2)によると1975年までに22家系が報告されており, うち10家系がフィンランド人である. 日本では1968年林田ら3)の報告が最初であり, その後10家系の報告3)5)~10)16)があるが, 何れも血清中に溶血性の抗P抗体を保有している事より発見されている. P式血液型においては抗PP_l P^k (抗Tj^a )を有するp型の女性の約半数が習慣性流産の既往を持つとされており, P^k 型においても同様に習慣性流産の既往を有する症例が多い. 今回, 私達も, 習慣性流産の患者にP^k 型の1例を見い出したので報告する. II. 症例 発端者M.T.は熊本県出身の29歳の女性で, 血液型はA型, Rho(D)陽性. 特記すべき既往歴はなく, 輸血経験もない. 昭和58年12月に妊娠13週で自然流産. 昭和60年5月に13週で自然流産. 昭和61年3月に10週で同じく自然流産を繰り返している. 昭和61年5月に習慣性流産の精査のため当院産婦人科を受診. 同時に当輸血部に依頼された不規則性抗体検査において市販スクリーニングセル, パネルセル全てを凝集する溶血性の抗体を認めたことより発見された.
ISSN:0546-1448