日本で初めて見出したNFLD(+)の2例

〔目的〕NFLD(+)は1984年Lewisらにより初めて報告され, その後報告されていない. 今回我々は, 献血者に対するOsa抗体スクリーニングで検出された抗Osa+抗NFLD抗体を用いて抗原スクリーニングを行い, NFLD(+)の2例を検出したので報告する. 〔方法〕抗NFLD抗体の検出は, LISS-抗グロブリン法で行った. 検出された抗体の確認は, 市販及び自家製パネル血球, . NFLD(+)血球を使用して同定した. NFLD(+)の検出は, 献血者より得られた抗NFLD抗体を用いて, LISS-抗グロブリン法で行った. 〔成績〕Osa血球を用いての抗体スクリーニングが2例のNFL...

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Veröffentlicht in:日本輸血学会雑誌 1987, Vol.33 (2), p.199-199
Hauptverfasser: 江頭貞臣, 松本浩二, 松下喜八郎, 清川博之, 前田義章, 吉成意之, 友成洋子, 菊池正輝, 瀬尾たい子, 大久保康人, 山口英夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:〔目的〕NFLD(+)は1984年Lewisらにより初めて報告され, その後報告されていない. 今回我々は, 献血者に対するOsa抗体スクリーニングで検出された抗Osa+抗NFLD抗体を用いて抗原スクリーニングを行い, NFLD(+)の2例を検出したので報告する. 〔方法〕抗NFLD抗体の検出は, LISS-抗グロブリン法で行った. 検出された抗体の確認は, 市販及び自家製パネル血球, . NFLD(+)血球を使用して同定した. NFLD(+)の検出は, 献血者より得られた抗NFLD抗体を用いて, LISS-抗グロブリン法で行った. 〔成績〕Osa血球を用いての抗体スクリーニングが2例のNFLD(+)発見の端緒となった. この2例の血球が, 別の抗Osa血清と反応しなかったことから, 抗原スクリーニングに使用した抗Osa抗体は, 他の低頻度抗体を保有しているものと思われた. そこで種々の低頻度抗体と反応させると抗Wra血清と強く反応した. さらに確認のために5種の抗Wra血清との反応を見たところ, このうち1種には陰性で, 残り4種の抗Wra血清に(±)~(┼┼┼)の反応があった. MRCで確認したところWraと判定した2例はNFLD(+)であり, 抗原スクリーニングに使用した抗血清は抗Osa+抗NFLDであることが判明した. その後, NFLD(+)血球を用い抗体スクリーニングを行い, 65796例中67例の抗NFLD抗体を検出した. そのうち抗Osa抗体との複合抗体が3例, 未同定の複合抗体が2例検出されている. 〔結論〕NFLDの抗原及び抗体の臨床的な意義については不明である. 本邦のNFLD抗原陽性の頻度(0.004%), 抗体の頻度(0.047%)から推して, この血液型による不適合がおこる可能性は, 非常に少ないと思われる. しかし原因不明の溶血性輸血副作用や, 新生児溶血性疾患に遭遇した際, 考慮すべき血液型と考える. 又, この抗体は他の低頻度抗体と複合抗体として存在することが多い事実から, その他の低頻度抗体についても再考の必要があると思われる.
ISSN:0546-1448