3種類のpre-S領域をもつB型肝炎ウイルス表面抗原(adyw)の酵母による産生

I. 目的:遺伝子組み換え技術を用いて3種類のpre-S領域をもつHBsAgタンパクの産生を酵母で試みた. II. 方法:B型肝炎ウイルス(adyw)DNAより3種類のpre-S領域(1st pre-S 163 a.a., 2nd pre-S 90 a.a., 3rd pre-S 55 a.a.)を持つHBsAg遺伝子を, 酵母glyceraldehyde-3-phosphate dehydrogenase(GAPDH)プロモーター下流に連結し, 酵母に形質転換した. 形質転換株を破壊し, 上清のHBsAgをRPHA試薬, (アンチヘブセル(R), (株)ミドリ十字製), およびEIA試薬(オ...

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Veröffentlicht in:日本輸血学会雑誌 1987, Vol.33 (2), p.185-185
Hauptverfasser: 川辺晴英, 向井裕通, 辻川宗男, 堀井肇, 大村考男, 上村八尋, 有村博文, 横山和正, 西田正行, 須山忠和
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:I. 目的:遺伝子組み換え技術を用いて3種類のpre-S領域をもつHBsAgタンパクの産生を酵母で試みた. II. 方法:B型肝炎ウイルス(adyw)DNAより3種類のpre-S領域(1st pre-S 163 a.a., 2nd pre-S 90 a.a., 3rd pre-S 55 a.a.)を持つHBsAg遺伝子を, 酵母glyceraldehyde-3-phosphate dehydrogenase(GAPDH)プロモーター下流に連結し, 酵母に形質転換した. 形質転換株を破壊し, 上清のHBsAgをRPHA試薬, (アンチヘブセル(R), (株)ミドリ十字製), およびEIA試薬(オースザイム, ダイナボット(株)製)にて測定した. ポリアルブミンレセプターの測定には, ヒトポリアルブミンを羊赤血球に感作した血球凝集法, およびEIA試薬(EIA HB_AR テスト, (株)医学生物学研究所製)を用いた. III. 成績:2nd pre-S HBsAg, 3rd pre-S HBsAgペプタイドは, 酵母で産生され, 分子量は, SDS-PAGEにて各々35K, 31Kであった. 酵母におけるこれらポリペプタイドの産生量は, HBsAgのそれとほぼ同等であった. 1st pre-S HBsAgポリペプタイドの産生は, GAPDHプロモーターに1st pre-S HBsAg遺伝子を連結した系では産生せず, GAPDHプロモーター下にHBsAg遺伝子を連結したプラスミドと共存させる事により産生をみた. IV. 結論:Pre-SのついたHBsAgは, 次世代のHBワクチンとして注目されている. 今回, 遺伝子組み換え技術を用いて1st pre-S HBsAg, 2nd pre-S HBsAg, 3rd pre-S HBsAgの3種のpre-S付きHBsAgを, 酵母で産生した.
ISSN:0546-1448