膜法による濃厚赤血球および濃厚血小板から分画用原料血漿回収の試み

期限切れ及び検査落ち血液からの分画用血漿の採取方法として, これまで静置法又は遠心法が一般的に行われてきた. しかし, いずれの方法も無菌操作を要し, 手数, 作業のための拘束時間及び静置場所の確保などの問題がある. そこで, 血漿献血に使用される膜法を期限切れ濃厚赤血球並びに濃厚血小板からの採漿に応用し, 若干の知見を得たので結果を報告する. セルロース・トリアセテート中空糸膜型血漿分離器(PEX-50)を使用し, 期限切れ濃厚赤血球及び濃厚血小板から血漿を採取した. 膜法による血漿採取は (1)プライミング後, 殆ど手数を要さない. (2)遠心法と同程度の採漿率が得られる. (3)静置...

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Hauptverfasser: 柴田正道, 渡辺裕之, 千葉健, 遠藤信義, 赤石英
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:期限切れ及び検査落ち血液からの分画用血漿の採取方法として, これまで静置法又は遠心法が一般的に行われてきた. しかし, いずれの方法も無菌操作を要し, 手数, 作業のための拘束時間及び静置場所の確保などの問題がある. そこで, 血漿献血に使用される膜法を期限切れ濃厚赤血球並びに濃厚血小板からの採漿に応用し, 若干の知見を得たので結果を報告する. セルロース・トリアセテート中空糸膜型血漿分離器(PEX-50)を使用し, 期限切れ濃厚赤血球及び濃厚血小板から血漿を採取した. 膜法による血漿採取は (1)プライミング後, 殆ど手数を要さない. (2)遠心法と同程度の採漿率が得られる. (3)静置法のような保管場所が不要である. (4)無菌操作を必要としないで分画用血漿を回収できる. 膜法は期限切れ及び検査落ち血液からの分画原料用の血漿採取方法として, 有用であることを示した. 今後, 製剤業務の中へルーチン化していく必要があり, 多量処理が可能で, より効率のよい方法とするために, さらに改善を加えていきたい.
ISSN:0546-1448