新しい中間型第VIII因子製剤「乾燥低フィブリノゲン抗血友病人グロブリン, RCG-5」の臨床評価
血友病Aは血液凝固第VIII因子(F.VIII)に量的, 質的異常のある伴性劣性遺伝性出血性疾患であり, 一方, von Willebrand病(vWD)はF.VIIIと複合体を形成するvon Willebrand因子(vWF)に量的, 質的異常のある常染色体遺伝性(通常, 優性)出血性疾患である1)2). したがって, 両疾患患者の止血療法には第VIII因子/von Willebrand因子(F.VIII/vWF)を含有するいわゆる第VIII因子製剤の輸注, すなわち, 欠陥因子の補充療法が最も基本的かつ, 確実である. わが国で使用可能な第VIII因子製剤には単一供血者血漿を原料としたcr...
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Veröffentlicht in: | 日本輸血学会雑誌 1986, Vol.32(5), pp.464-479 |
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Hauptverfasser: | , , , , , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 血友病Aは血液凝固第VIII因子(F.VIII)に量的, 質的異常のある伴性劣性遺伝性出血性疾患であり, 一方, von Willebrand病(vWD)はF.VIIIと複合体を形成するvon Willebrand因子(vWF)に量的, 質的異常のある常染色体遺伝性(通常, 優性)出血性疾患である1)2). したがって, 両疾患患者の止血療法には第VIII因子/von Willebrand因子(F.VIII/vWF)を含有するいわゆる第VIII因子製剤の輸注, すなわち, 欠陥因子の補充療法が最も基本的かつ, 確実である. わが国で使用可能な第VIII因子製剤には単一供血者血漿を原料としたcryoprecipitate剤(cryo)と大量プール血漿を原料とした第VIII因子濃縮製剤の2種類があり, 今日では後者が多用されている. しかし, 第VIII因子濃縮製剤作製における第VIII因子凝固活性(F.VIII:C)の回収率は10~20% 3)とcryoの50~60% 4)に比してきわめて低いという医療経済上の問題点に加えて原料血漿の80%以上を諸外国(主として米国)から輸入しているという海外依存性にも問題がある5). 一方, 大量プール血漿を出発材料にしていることによる各種病原ウイルスの混入, 特に, 最近のLAV/HTLV-III伝幡の指摘6)といった新しい困難な問題が提起されるようになった. |
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ISSN: | 0546-1448 1883-8383 |
DOI: | 10.3925/jjtc1958.32.464 |