PA, EIA, およびRIA法によるATLA抗体発現率の検討
〔目的〕3種の異なる測定法, PA, EIA, RIAを用いてATLA抗体を測定し, 3法の比較とその意義について検討した. 〔方法〕白血病, 再生不良性貧血などの血液疾患48例, 血液透析患者25例, 日赤より供給された保存血液600例, ATLと確定診断された患者5例, 及びSLEを主とした膠原病18例についてATLA抗体を測定した. 測定にはゼラチン粒子凝集反応(PA), 酵素免疫測定法(EIA), 及びRIA法(それぞれA, B, C社キット)を用いた. 〔成績〕1)輸血を受けている血液疾患48例中, 5回以上測定し, 追跡し得たものは18例で, 経過中陽転したものは9例であり, うち...
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Veröffentlicht in: | 日本輸血学会雑誌 1986, Vol.32 (2), p.288-288 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 〔目的〕3種の異なる測定法, PA, EIA, RIAを用いてATLA抗体を測定し, 3法の比較とその意義について検討した. 〔方法〕白血病, 再生不良性貧血などの血液疾患48例, 血液透析患者25例, 日赤より供給された保存血液600例, ATLと確定診断された患者5例, 及びSLEを主とした膠原病18例についてATLA抗体を測定した. 測定にはゼラチン粒子凝集反応(PA), 酵素免疫測定法(EIA), 及びRIA法(それぞれA, B, C社キット)を用いた. 〔成績〕1)輸血を受けている血液疾患48例中, 5回以上測定し, 追跡し得たものは18例で, 経過中陽転したものは9例であり, うちPAのみ陽転が3例, PA, EIAのみ共に陽転が3例, PA, EIA, RIA全て陽転が3例であった. 残り30例は追跡し得た期間内では陰性であった. 2)血液透析患者25例では, 1例のみPA, EIA, RIA全て陽性であった. 3)日赤より供給された保存血液600例では, PA法で1例陽性だった他, EIA, RIAではいずれも陰性であった. EIAではいったん陽性と判定されたものの, 再検にて陰性とされた例が13例認められた. 4)ATLと確定診断された5例中, 4例がPA, EIA, RIA全て陽性, PA, EIAのみ陽性が1例であった. 5)SLEを主とした膠原病18例ではPAで1例陽性であった. またEIAで3例陽性であったが, 特異性確認を行なったところ, いずれも偽陽性であることがわかった. 〔結論〕3法を比較すると, PAによる陽性発現率が最も高く, 次いでEIAが高いと考えられた. RIAは, PA, EIAに比べ陽性発現率が低い傾向が認められた. PA, EIAが, ATLV産生細胞であるTCL-Kan, またはMT-2細胞のATLVそのものを抗原として使用しているのに比べ, RIAではATLV遺伝子のenv geneのEH-9を遺伝子工学にて生産し, 抗原として使用している点から相違が生ずる可能性がある. また, 膠原病ではEIAで偽陽性が18例中3例認められたことは大変興味深い. |
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ISSN: | 0546-1448 |