単クローン性ヒト抗Rho(D)抗体の血清学的検討について

〔目的〕我々は, 安定な単クローン性ヒト抗Rho(D)抗体産生細胞B-7:D-10の培養上清を用いて, その血清学的特徴並びに市販抗D血清との比較をした. 〔材料及び方法〕樹立細胞株(B-7:D-10, 15×10^4 個/ml)の4日目培養上清と市販抗D血清(Ortho社, Lot. DS648A-1)との検討. 1:フィシン, パパイン, ノイラミダーゼ, トリプシン, プロナーゼ処理血球による検討. 2:温度, pHによる影響. 3:Groupamatic G360によるD抗原検査. (培養上清, 市販抗D血清は, 生理食塩水にて100倍に希釈した. ) 4:D陰性の血球については, 培...

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Veröffentlicht in:日本輸血学会雑誌 1986, Vol.32 (2), p.253-253
Hauptverfasser: 星野眞由美, 高橋英夫, 宮村友造, 真野能陳, 川又洋, 徳永栄一, 内川誠, 十字猛夫, 宇野正恒, 小野魁
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:〔目的〕我々は, 安定な単クローン性ヒト抗Rho(D)抗体産生細胞B-7:D-10の培養上清を用いて, その血清学的特徴並びに市販抗D血清との比較をした. 〔材料及び方法〕樹立細胞株(B-7:D-10, 15×10^4 個/ml)の4日目培養上清と市販抗D血清(Ortho社, Lot. DS648A-1)との検討. 1:フィシン, パパイン, ノイラミダーゼ, トリプシン, プロナーゼ処理血球による検討. 2:温度, pHによる影響. 3:Groupamatic G360によるD抗原検査. (培養上清, 市販抗D血清は, 生理食塩水にて100倍に希釈した. ) 4:D陰性の血球については, 培養上清原液を用いて, 用手法にて検討. 5:D^u 血球との反応性を検討. 〔結果〕B-7:D-10株の培養上清は, 間接抗グロブリン法では4096倍, ブロメリン法では1024倍まで反応したが, 食塩水法とアルブミン法では凝集は見られなかった. 酵素, 温度, pHによる影響は, 市販抗D血清と比べ, 大きな変化は見られなかった. Groupamatic G360で献血者65235検体について検討した. 4検体が市販抗D血清で陽性, 培養上清で陰性であったが, 培養上清原液では強く反応した. D陰性血球733検体とは全く反応せず, 市販抗D血清との不一致は見られなかった. 更にD^u 血球20検体とは, いずれも陽性であった. 〔考察〕樹立細胞(B-7:D-10)から産生される単クローン性抗D抗体は, その特異性については問題なく, 判定用血清として充分使用しうると考えられる.
ISSN:0546-1448