フローサイトメトリーを用いたリンパ球, 血小板適合試験

〔目的〕抗リンパ球抗体, 抗血小板抗体の検出法として, 主にLCT, MPHAが行なわれているが, 今回フローサイトメトリーを用いた方法と比較し, 血小板輸血の際の適合試験に応用できるか検討した. 〔方法〕抗リンパ球抗体, 抗血小板抗体共に陽性である患者血清を用いて, 供血者15例のリンパ球, 血小板の適合, 不適合をそれぞれLCT, MPHAを用いて検討し, さらにフローサイトメトリーを用いた抗リンパ球抗体, 抗血小板抗体検出法(FCM法)にても検討した. また輸血を受けた患者47例の抗体検出の比較も上記方法にて行なった. 〔成績〕1)供血者15例の適合試験は, リンパ球については, LCT...

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Veröffentlicht in:日本輸血学会雑誌 1986, Vol.32 (2), p.242-242
Hauptverfasser: 松戸明美, 菅原雅子, 寺田盛, 梅嶋朱美, 杉山美雪, 鎌倉正英, 風間睦美, 安部英, 照屋純
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:〔目的〕抗リンパ球抗体, 抗血小板抗体の検出法として, 主にLCT, MPHAが行なわれているが, 今回フローサイトメトリーを用いた方法と比較し, 血小板輸血の際の適合試験に応用できるか検討した. 〔方法〕抗リンパ球抗体, 抗血小板抗体共に陽性である患者血清を用いて, 供血者15例のリンパ球, 血小板の適合, 不適合をそれぞれLCT, MPHAを用いて検討し, さらにフローサイトメトリーを用いた抗リンパ球抗体, 抗血小板抗体検出法(FCM法)にても検討した. また輸血を受けた患者47例の抗体検出の比較も上記方法にて行なった. 〔成績〕1)供血者15例の適合試験は, リンパ球については, LCTとFCM法で, 適合, 不適合の一致したものは12例. 不一致は3例で, うちLCTのみ不適合が2例, FCM法のみ不適合が1例であった. 一方血小板については, MPHAとFCM法で適合, 不適合の一致したものは10例. 不一致は5例でMPHAのみ不適合であった. 2)輸血を受けた患者47例中, 抗体検出率は, リンパ球についてはLCT10.6%, FCM法12.7%. 血小板についてはMPHA, FCM法共に8.5%であった. 抗リンパ球抗体の検出結果がLCTとFCM法で一致したもの44例. 不一致は3例で, うちLCTでのみ検出されたもの1例, FCM法でのみ検出されたもの2例. 抗血小板抗体についてはMPHAとFCM法で一致したもの43例. 不一致は4例で, うちMPHAでのみ検出されたもの2例, FCM法でのみ検出されたもの2例であった. 〔結論〕抗リンパ球抗体の検査については, LCT, FCM法共にほぼ一致した結果が得られ, FCM法も適合試験に充分用いることができると思われた. 抗血小板抗体については, 供血者適合試験で不一致な例が多くみられたので, まだ検討の必要があると思われた. また, 今後, 適合, 不適合が一致しなかった供血者の血小板輸注効果にどの様な違いが見られるか調べていきたい.
ISSN:0546-1448