血液製剤による希有な副作用を呈した2症例について
天性第IX因子欠乏症(血友病B)は, 出血管理のため第IX因子製剤の補充療法が不可欠である. 本製剤の輸注によって認められる副作用としては, ウイルス性肝炎の併発, インヒビターの出現などが広く知られている. しかし, 輸注後即時に発現するじんま疹, 頭痛ショックや数日後~2週後に発現する肝障害などのallergicな反応に遭遇することはきわめて稀である. われわれは, 最近これらの稀な副作用を認めた血友病Bの2症例を経験したので, その観察成績の概略を報告する. 症例I. 43歳, 男性. 主訴はじんま疹, 喉頭浮腫. 現病歴:小児期より関節出血を繰り返し, 12歳時に血友病Bの診断を受けた...
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Veröffentlicht in: | 日本輸血学会雑誌 1985, Vol.31 (6), p.670-670 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 天性第IX因子欠乏症(血友病B)は, 出血管理のため第IX因子製剤の補充療法が不可欠である. 本製剤の輸注によって認められる副作用としては, ウイルス性肝炎の併発, インヒビターの出現などが広く知られている. しかし, 輸注後即時に発現するじんま疹, 頭痛ショックや数日後~2週後に発現する肝障害などのallergicな反応に遭遇することはきわめて稀である. われわれは, 最近これらの稀な副作用を認めた血友病Bの2症例を経験したので, その観察成績の概略を報告する. 症例I. 43歳, 男性. 主訴はじんま疹, 喉頭浮腫. 現病歴:小児期より関節出血を繰り返し, 12歳時に血友病Bの診断を受けた. 昭和52年5月石胸壁皮下出血と出血性ショックのため当院に入院し, 以後腸管出血, 交通事故による多発性骨折, 腎出血, 腹腔出血等のため入院を繰り返し, 第IX因子製剤(クリスマシン)の輸注を受けていた. 昭和57年3月, 腔腹内出血のためクリスマシンを輸注したところ, 全身性じんま疹, 頭痛, せき, 喉頭浮腫等の即時型の反応が出現し, クリスマシンの輸注が不可能となった. |
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ISSN: | 0546-1448 |