凝固因子製剤と術後肝炎の発生率について

最近における開心術症例の重篤化は著しいものがあり, 手術後の出血に対するreplacement therapyが循環負荷を増大させ, 術後に重大な影響を及ぼす場合が多々ある. 教室ではこれを回避する目的から, 手術後に濃縮凝固因子製剤の投与を試み, ある程度の効果を得る事はできたが, 当然の事とはいえ肝機能障害(以下肝炎と略す)例の多発を見たので追跡調査を行なった. 対象ならびに方法:対象は昭和56年1月から8月の間に行なわれた体外循環症例94例のうち, 早期死亡4例と退院後の詳細が不明なもの7例とを除いた83例とした. 術後肝炎の判定基準は, 「術後一旦正常化したGOT・GPT値が2週目以降...

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Hauptverfasser: 横井泰, 水野明, 須藤憲一, 高浜龍彦, 浅野献一
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:最近における開心術症例の重篤化は著しいものがあり, 手術後の出血に対するreplacement therapyが循環負荷を増大させ, 術後に重大な影響を及ぼす場合が多々ある. 教室ではこれを回避する目的から, 手術後に濃縮凝固因子製剤の投与を試み, ある程度の効果を得る事はできたが, 当然の事とはいえ肝機能障害(以下肝炎と略す)例の多発を見たので追跡調査を行なった. 対象ならびに方法:対象は昭和56年1月から8月の間に行なわれた体外循環症例94例のうち, 早期死亡4例と退院後の詳細が不明なもの7例とを除いた83例とした. 術後肝炎の判定基準は, 「術後一旦正常化したGOT・GPT値が2週目以降それぞれ200単位以上に上昇した症例」とした. 使用した凝固因子製剤は5種でたり, 単独使用より併用された場合が多い.
ISSN:0546-1448