各種疾患におけるLp(a)リポ蛋白の変動

われわれはさきに本学会において, 本邦人における血清Lp(a)リポ蛋白濃度につき報告したが, その後各種疾患における変動につき検討し, 下記の結果を得た. 1.肝胆道疾患において低値を示すもの多く, 病態の回復に従って上昇する. 2.悪性腫瘍, 動脈硬化性疾患において高値を示すものが多い. 3.急性尖症, 心筋硬塞, 外科的手術後等の組織崩壊を来す病態に際し, Lp(a)は一過性に上昇する. この変動は, CRP, α_1 , 一酸性糖蛋白等の急性期反応性蛋白の変動と平行する. 4.手術後1ヵ月以上観察し得た146例のLp(a)の変動は, 一過性に上昇するもの(A型, 72.O%), 上昇し続...

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Hauptverfasser: 川出真坂, 前田悟司, 山城俊光
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:われわれはさきに本学会において, 本邦人における血清Lp(a)リポ蛋白濃度につき報告したが, その後各種疾患における変動につき検討し, 下記の結果を得た. 1.肝胆道疾患において低値を示すもの多く, 病態の回復に従って上昇する. 2.悪性腫瘍, 動脈硬化性疾患において高値を示すものが多い. 3.急性尖症, 心筋硬塞, 外科的手術後等の組織崩壊を来す病態に際し, Lp(a)は一過性に上昇する. この変動は, CRP, α_1 , 一酸性糖蛋白等の急性期反応性蛋白の変動と平行する. 4.手術後1ヵ月以上観察し得た146例のLp(a)の変動は, 一過性に上昇するもの(A型, 72.O%), 上昇し続けるもの(B型, 17.3%)下降するもの(C型, 10.7%)に分類され, A型は予後良好, B型は回復遅延, 合併症, C型は予後不良のものが多かった.
ISSN:0546-1448