ABO式血液型抗原の変化を認めた2症例

目的:血液型が種々の後天的要因により変化することは知られているが, 今回疾患によりABO式血液型に変異を生じたと思われる2例を経験したので報告する. 症例:第一例(以下(1))は46歳男性AML. 第二例(同(2))は76歳女性腎癌. 共に入院時のABO式血液型検査で抗原の低下及び消失を認めたので精査した. 成績:表検査は, (1)抗A, 抗B共に部分凝集, (2)抗Aに凝集せず抗Bに部分凝集を示し裏検査では, (1)(2)共に抗A, 抗Bを認めなかった. 抗体の吸着解離試験では(1)(2)共にA, B抗原の存在を確認. 型転換酵素は, (1)低下, (2)正常だった. 唾液検査は分泌型の(1...

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Hauptverfasser: 中田智恵子, 坂田好隆, 柴山修司, 山本恵子, 広瀬豊, 友田豊, 大川トヨ子
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:目的:血液型が種々の後天的要因により変化することは知られているが, 今回疾患によりABO式血液型に変異を生じたと思われる2例を経験したので報告する. 症例:第一例(以下(1))は46歳男性AML. 第二例(同(2))は76歳女性腎癌. 共に入院時のABO式血液型検査で抗原の低下及び消失を認めたので精査した. 成績:表検査は, (1)抗A, 抗B共に部分凝集, (2)抗Aに凝集せず抗Bに部分凝集を示し裏検査では, (1)(2)共に抗A, 抗Bを認めなかった. 抗体の吸着解離試験では(1)(2)共にA, B抗原の存在を確認. 型転換酵素は, (1)低下, (2)正常だった. 唾液検査は分泌型の(1)のみABH型物質の存在を証明したが, (2)は非分泌型だった. 結び:2例とも回復せず死亡したためその後の抗原追跡は出来なかったが, 以前他施設にてAB型と判定されており, 今回の抗原性の変化は疾患によるものと思われる.
ISSN:0546-1448