輸血後7日目に発症した溶血発作の1症例

症例は33歳女性で, 既往歴に特記すべき所見はない. 第3子分娩時, 子宮頚部に亀裂が生じ, 出血性ショックの状態となったため, 子宮摘出術が行われた. 手術前後に保存血2,200mlが輸血された. 術後経過は順調であったが, 第7病日, 突然, 黒色尿(血色素尿)が出現し, 血中Hb量は12.6g/dl(6病日)から5.3g/dl(15病日)に低下した. ICUに入室させ, 術後使用薬剤の投与を中止し, プレドニン(R), ヘパリン, FOY(R)の投与および強制利尿をはかった結果, 第16病日には尿潜血反応は陰性となり, その後何ら合併症を残すことなく回復した. なお, 検査成績ではCoo...

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Hauptverfasser: 岡誠太郎, 田村秀樹, 湖城均, 吉村有三, 高岡伸行, 井上万哉也, 大西健司, 渡辺敏光
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は33歳女性で, 既往歴に特記すべき所見はない. 第3子分娩時, 子宮頚部に亀裂が生じ, 出血性ショックの状態となったため, 子宮摘出術が行われた. 手術前後に保存血2,200mlが輸血された. 術後経過は順調であったが, 第7病日, 突然, 黒色尿(血色素尿)が出現し, 血中Hb量は12.6g/dl(6病日)から5.3g/dl(15病日)に低下した. ICUに入室させ, 術後使用薬剤の投与を中止し, プレドニン(R), ヘパリン, FOY(R)の投与および強制利尿をはかった結果, 第16病日には尿潜血反応は陰性となり, その後何ら合併症を残すことなく回復した. なお, 検査成績ではCoombs testは直接間接ともに陰性であった. 本症例の治療経過を報告し, 溶血の原因について考察を加える.
ISSN:0546-1448