続発性自己免疫性溶血性貧血にみられた抗-C, 抗-e, 抗Rh29(抗Pdl)抗体の解析
症例. 宮○ヨ○子, 60歳, 女性. 既往歴:輸血(無), 妊娠(有), 現病歴:昭和47年3月頃ソケイ部リンパ節腫大, 同年7月当病院内科を受診. リンパ節生検にて非ホジキンリンパ腫と診断. 昭和49年8月中旬よりVEMP治療開始, 同年12月寛解退院, 昭和54年11月貧血とリンパ節腫大にて再発2回目の入院, VEPで治療し貧血の改善とリンパ節腫大の消失を認め, 翌55年5月退院, 現在外来で経過を観察中である. 成績:RBC153万, Hb5.3g/dl網状赤血球127‰と極度の上昇, ^^51 CrによるRBC life spanは5.2日と短縮, A型, CCDee, D, Coo...
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Veröffentlicht in: | 日本輸血学会雑誌 1984, Vol.30 (2), p.137-137 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例. 宮○ヨ○子, 60歳, 女性. 既往歴:輸血(無), 妊娠(有), 現病歴:昭和47年3月頃ソケイ部リンパ節腫大, 同年7月当病院内科を受診. リンパ節生検にて非ホジキンリンパ腫と診断. 昭和49年8月中旬よりVEMP治療開始, 同年12月寛解退院, 昭和54年11月貧血とリンパ節腫大にて再発2回目の入院, VEPで治療し貧血の改善とリンパ節腫大の消失を認め, 翌55年5月退院, 現在外来で経過を観察中である. 成績:RBC153万, Hb5.3g/dl網状赤血球127‰と極度の上昇, ^^51 CrによるRBC life spanは5.2日と短縮, A型, CCDee, D, Coombs試験はbroad spectrum, 抗IgG, 抗-L(κ), 抗-L(λ)で強陽性, 抗補体で陰性を示した. 抗体誘出試験はacid法, weiner法で行い誘出液より抗-C, 抗-e, 抗-Rh29(抗-pdl)が同定, 緒方-松橋現象は認めなかった. 赤沈値の亢進, C_3 c, Hpの低下, T-B細胞は正常であった. 考察:STHを含むVEMP治療に一致してリンパ節の消失, 網状赤血球の低下, Hbの上昇が観察された. D.Coombs試験は4+と変動はみられないが抗体価は下降を示した. 昭和56年11月18日リンパ腫の再発を見, ほぼ同時期に網状赤血球の一過性の上昇が有り, 悪性リンパ腫とAIHAは病勢の併行をみとめた. 本症の自己抗体産生の機序は免疫担当細胞自体の腫瘍性疾患であり悪性リンパ腫を基礎疾患としていることにより, i)腫瘍細胞自体の産生するIgが偶然抗赤血球抗体を有するか, ii)免疫装置を発育の場としている為に免疫監視機構の破綻をきたし, B細胞の麻痺をきたし, その結果, 抗赤血球抗体を産生したこと等が考えられる. |
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ISSN: | 0546-1448 |