抗ウイルス剤のcombination therapyによりHBe抗体へのseroconversionを示したB型慢性肝炎の1症例

B型慢性肝炎に対する抗ウイルス剤としてinterferon(IFN), adenine arabinoside(Ara-A)が検討されている. 演者はHBe抗原陽性の慢性肝炎2例にAra-A+IFNのcombination therapyを行ない1例にHBe抗体へのseromversion, 肝機能検査所見の正常化を認めたので, その経過を報告する. 症例:24歳, 男性. 治療前HBeAg(+), HBV-DNAP11,428cpm. まずARA-A投与総量9g/23日によりDNAP3,441cpmに低下したが, 2ヵ月後28,514cpmに再上昇した. しかしその後DNAPは漸減し, 10...

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Hauptverfasser: 黒木哲夫, 村井順一郎, 永宮トシ子, 東海谷美代子, 中林広栄, 宋健二, 塩見進, 斉藤忍
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:B型慢性肝炎に対する抗ウイルス剤としてinterferon(IFN), adenine arabinoside(Ara-A)が検討されている. 演者はHBe抗原陽性の慢性肝炎2例にAra-A+IFNのcombination therapyを行ない1例にHBe抗体へのseromversion, 肝機能検査所見の正常化を認めたので, その経過を報告する. 症例:24歳, 男性. 治療前HBeAg(+), HBV-DNAP11,428cpm. まずARA-A投与総量9g/23日によりDNAP3,441cpmに低下したが, 2ヵ月後28,514cpmに再上昇した. しかしその後DNAPは漸減し, 10ヵ月後に793cpmに減少し, HBeAgの低下が観察された. IFN療法を開始し, 総投与量10,200万IU/4週により, HBeAg, DNAPの低下がみられた. 投与2週後にHBeAg陰性化し, 7ヵ月後にHBe抗体へのseroconversion, 肝機所見正常化がみられた. 以上, 抗ウイルス剤のcombination therapyはDNAP高値のB型慢性肝炎に対しても, 有効な治療法となりえることが示唆された.
ISSN:0546-1448