血友病患者開頭手術例2例
近年, 血友病患者の出血に対する治療の進歩によって, その止血管理が容易となり, 適切な管理のもとに, あらゆる領域の外科的治療が行ないうるようになった. 当教室では, 2例の血友病A患者開頭手術例を経験したので報告する. いずれも重症の血友病症例で, 手術施行にあたって, 厚生省血友病研究斑の補充療法の基準に従い第VIII因子製剤の輸注を行なった. いずれの症例も, 受傷直後には自覚症状はなく, それぞれ23時間後, 3日後に手術が施行された. 症例1は高度の脳挫傷があり術後42時間で死亡した. また症例2は第VIII因子濃縮製剤大量輸注のための同種血液型抗体混入によると考えられる溶血性貧血...
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Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 近年, 血友病患者の出血に対する治療の進歩によって, その止血管理が容易となり, 適切な管理のもとに, あらゆる領域の外科的治療が行ないうるようになった. 当教室では, 2例の血友病A患者開頭手術例を経験したので報告する. いずれも重症の血友病症例で, 手術施行にあたって, 厚生省血友病研究斑の補充療法の基準に従い第VIII因子製剤の輸注を行なった. いずれの症例も, 受傷直後には自覚症状はなく, それぞれ23時間後, 3日後に手術が施行された. 症例1は高度の脳挫傷があり術後42時間で死亡した. また症例2は第VIII因子濃縮製剤大量輸注のための同種血液型抗体混入によると考えられる溶血性貧血を併発したが, steroid投与により改善した. 今回の経験症例より, 頭部外傷時には, その症状の発現の有無にかかわらず, 直ちに充分量の因子製剤補充療法を開始し, さらに大量輸注時の同種抗体混入に配慮すべきであると考えられた. |
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ISSN: | 0546-1448 |