多発性骨髄腫に対する血漿交換療法の経験

序言 近年, 血漿交換療法はHaemonetics Model 30Sの導入以来急速に進展し, 多発性骨髄腫に対してもその有効性が認められている. 我々は今回慢性腎不全を合併した多発性骨髄腫に対して血漿交換を施行した結果, 自他覚的症状の著しい改善を認めた症例を経験したので報告する. 症例 症例は52歳, 男性. 第一回目入院時の主訴は蛋白尿の精査. 現病歴:生来著患なく経過していたが昭和51年11月, 健診で蛋白尿を指摘され昭和52年3月精査の目的で当科に入院した. 諸検査の結果χ. IgG型multiple myelomaと診断され同年6月までprednisolone, cyclophos...

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Hauptverfasser: 竹内秀一, 平田健一郎, 村上俊吾, 近藤敦, 渡辺直樹, 石谷邦彦, 新津洋司郎, 漆崎一朗
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:序言 近年, 血漿交換療法はHaemonetics Model 30Sの導入以来急速に進展し, 多発性骨髄腫に対してもその有効性が認められている. 我々は今回慢性腎不全を合併した多発性骨髄腫に対して血漿交換を施行した結果, 自他覚的症状の著しい改善を認めた症例を経験したので報告する. 症例 症例は52歳, 男性. 第一回目入院時の主訴は蛋白尿の精査. 現病歴:生来著患なく経過していたが昭和51年11月, 健診で蛋白尿を指摘され昭和52年3月精査の目的で当科に入院した. 諸検査の結果χ. IgG型multiple myelomaと診断され同年6月までprednisolone, cyclophosphamideの併用療法を受け諸検査所見の改善を認めた為退院し某医にて昭和54年12月まで治療を受け, 以後は自発的に通院を中止していた. 第二回目入院時の主訴は発熱および左上肢痛. 現病歴, 昭和57年1月17日高熱および左上肢痛が出現した為某医を受診し, 強度の貧血と骨髄中の形質細胞の増加を指摘され, 精査・治療の目的で当科に再入院した. 既往歴, 家族歴に特記すべき事無し. 二回目入院時の検査所見では末梢赤血球数350万/立方ミリメートル, 血色素10.5g/dl, ヘマトクリット32.5%と正球性正色素性貧血を認め, 尿検査で尿蛋白25mg/dl, 血液生化学的検査では総蛋白11.3g/dl, γ-globulin46.1%, BUN58mg/dl, 尿酸6.3mg/dl, creatinine3.2mg/dl, およびAlp222i.u/リットルといずれも上昇していた.
ISSN:0546-1448