B型肝炎ウイルス保有血の輸血による肝炎発症・不発症例の血清学的検討
1972年後半から赤十字血液センターが献血の品質管理検査の一つにHBs抗原プレチェックを始めて以来, 輸血後のB型肝炎は急速に減少し, 殊に検査法をR-PHAに変更してからは更に少くなった. これについては既に各施設から報告がなされている. 国療東京病院における手術後の輸血後肝炎の発症状況は, 昨年の本学会でも報告したが, 非A非B型肝炎が今なお10数%発生し, 且つ最近3年間はむしろ増加の傾向すらみせているものの, B型肝炎は顕著に減少し, 1971年以降24名を算するものの, 1978年の1例を最後にその後は発生していない. これらのB型肝炎例には, HBs抗原陽性血, というよりはHBウ...
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Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | 1972年後半から赤十字血液センターが献血の品質管理検査の一つにHBs抗原プレチェックを始めて以来, 輸血後のB型肝炎は急速に減少し, 殊に検査法をR-PHAに変更してからは更に少くなった. これについては既に各施設から報告がなされている. 国療東京病院における手術後の輸血後肝炎の発症状況は, 昨年の本学会でも報告したが, 非A非B型肝炎が今なお10数%発生し, 且つ最近3年間はむしろ増加の傾向すらみせているものの, B型肝炎は顕著に減少し, 1971年以降24名を算するものの, 1978年の1例を最後にその後は発生していない. これらのB型肝炎例には, HBs抗原陽性血, というよりはHBウイルス保有血が輸血されていることは, いうまでもない. しかし一方, この11年間にHBs抗原陽性血を輸血されてしまった患者の数は, これよりもずっと多いのであり, しかもそのような受血者が必ずB型肝炎を起しているとは限らない. HBs抗原陽性血を輸血された患者のうち追跡検査を完了し得た53名についてみると(表1)の如く急性B型肝炎を発症した者は16名(約30名), 急性肝炎の経過をとらずにキャリアに移行していった者2名で, その他の患者は肝炎症状を呈していない. |
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ISSN: | 0546-1448 |